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IBM×神戸医療産業都市推進機構、AIと医療RWDで臨床開発業務を変革 - 治験短縮

マイナビニュース / 2024年9月11日 6時0分

画像提供:マイナビニュース

神戸医療産業都市推進機構(FBRI)と日本IBMは9月10日、日本IBMの箱崎事業所で記者説明会を開催した。両者が持つリソースや技術、知見などの提供についてパートナーシップを締結し、日本のドラッグラグ/ロス解決と創薬力の強化に向けて生成AIを含むAI技術と電子カルテなどの医療リアルワールドデータ(RWD)を活用したAI組込み型の臨床開発(AICD:AI-Infused Clinical Development)を推進し、臨床開発業務プロセス全体の業務変革支援に取り込むことを発表した。
手間と時間がかかる治験のプロセス

冒頭、日本IBM 代表取締役社長の山口明夫氏は「当社が目指す未来のヘルスケアは、AIやテクノロジーを活用した『患者中心の医療』だ。そのために3つの観点で取り組んでいる。1つ目は患者に寄り添う安定した医療基盤の構築、2つ目は各患者に最適化された医療の提供、3つ目はすべての患者を取りこぼさない創薬・開発・供給だ。そのうち、今回の取り組みは3つ目の中の『AI組込み型の臨床開発』に該当する」と述べた。

近年、海外で承認されている薬が日本で承認されていないことによるドラッグラグ/ロスの問題が深刻化しており、2019年から2023年までの5年間でFDA(米国食品医薬品局)が承認したNME(新規化合物)243品目のうち、164品目(約67.5%)は日本では未承認であり、うち過半数は日本では開発されていないというのが現状だという。

このようなことをふまえ、神戸医療産業都市推進機構 理事長の成宮周氏は「国内で承認がされず、治験が進まない。これは非常に問題であり、国内の治験ができないだけでんかう、国際共同治験に参加すること難しい状況となっており、それを解決しようと考え、プロジェクトがスタートした。人間にはヘテロな遺伝・環境背景を持っていることから、同じ診断名でも要因や薬の有効性は個々さまざまであり、治験におけるプロセスは時間と手間がかかる。そのため、省人化して短時間で行い、正確な結果を得るととともに、膨大な承認申請の事務を最大限に省力化して治験を行うシステムを日本IBMと共同で構築する」と力を込めた。

治験に潜むさまざまな課題

問題の背景には、製薬企業にとっての日本市場の魅力度といった構造的な課題に加え、治験における被験者リクルーティングの遅れ、各種の関連文書・資料の作成・整備を含めた手続きの煩雑さなどによる治験期間の長期化も理由の1つとして考えられているとのこと。

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