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IBM×神戸医療産業都市推進機構、AIと医療RWDで臨床開発業務を変革 - 治験短縮

マイナビニュース / 2024年9月11日 6時0分

治験期間の短縮化は、新薬の開発を加速し、製薬企業にとって経済的なメリットが大きいだけでなく、患者にとっても重要な要素となっている。特に既存の治療法がない、もしくは限られている患者にとっては、新薬が早期に市場に出ることで救命や生活の質の向上が期待されている。迅速な治験の実施は、患者への治療オプションの提供を早めるだけでなく、医療の進歩にも貢献する重要な課題となっている。

日本IBM 理事の先崎心智氏は「治験の効率化を進めるにあたり、いくつもの課題がある。治験策定時にはさまざまな情報収集や文書作成の必要がある。最も困難なことは医薬品が有効な患者の方をどのように見つけるかということ。条件にあった患者の方がどこにどの程度の規模で存在するかなど施設の選定に加え、実際に被験者をリクルーメントに多くの時間と業務負荷がかかっている状況だ。さらに、データに関しても手入力によるミスやデータの不備、膨大な申請文書の作成、レビューがある」と指摘。

これまで、FBRIに属する医療イノベーション推進センター(TRI)と日本IBMは、ライフ・インテリジェンス・コンソーシアム(LINC)のワーキング・グループでの活動を通じて大学病院、研究機関、製薬企業などと協議を重ね、電子カルテといった医療リアルワールドデータを活用し、治験と患者を早期にマッチングすることで患者リクルーティングを効率化する施策の調査・検討をしてきた。
AI組込み型の臨床開発を推進する7つの機能

今回、LINCでの検討を踏まえ、FBRIと日本IBMが新たに締結したパートナーシップにもとづき、TRIと日本IBMはAI組み込み型の臨床開発業務の実現による課題解決に取り組む。具体的には、TRIと日本IBMが知見を出し合うことにより、今後は7つの機能をはじめとしたシステムを開発し、将来的には臨床開発業務全般にわたり生成AIや従来型AIを活用していくことを目指す。

日本IBMでは、AIを活用した臨床開発支援システムの開発や電子カルテなど医療データの収集・連携、研究開発への応用、医療機関の環境に応じたオープンなAIモデルの活用、AI倫理の実践と安全なAI運用の推進を手がける。

一方、FBRIとTRIは産学官医の連携促進や革新的な医療シーズの創出、臨床開発の早期化と上市支援、製薬企業・病院と連携した実用化を行う。今回の取り組みで開発・提供を予定している機能は以下の7つ。

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