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創造的思考モデルを活用しAIの新たな可能性を追求するdentsu JapanのAI戦略とは

マイナビニュース / 2024年10月7日 9時0分

画像提供:マイナビニュース

8月にAI広告コピー生成ツール「AICO2(アイコ ツー/AI Copywriter 2)」の開発を発表した電通と電通デジタル。そこで、本稿では開発担当者に、ツールの特徴や開発の狙い、活用方法などを聞いた。

初代AICOの開発は2015年からスタート

dentsu Japanでは2015年末から、試作・検証を通じてAIとの共創のあり方を探るというプロジェクトをスタートさせ、初代AICO(以下、初代)を静岡大学 狩野研究室と共同で開発し、2017年5月にβ版をリリースした。

AICOシリーズでは共通して、オープンソースの自然言語処理技術が用いられている。これは、普段われわれが用いる日本語や英語のような言葉をコンピュータによって処理する技術である。

初代AICOは、電通のコピーライターが考案したコピー約1万作品をディープラーニングを用いて学習させたモデル。ユーザーが入力した「お題」に基づき、学習したコピーの「型」をベースとして言葉同士の距離を考慮し、新たなコピーを生成する仕組みだった。

当初、コピーライターやプランナーなどのクリエイティブ職を対象に開発していたが、実際の現場ではそうした職種のほか、クライアント営業などの担当者も使用し、よりスピード感とクオリティを同時に求められる現場で活用されていた。
2023年7月から大規模言語モデルをベースにAICO2の開発に着手

初代AICOは、社内ツールとして人間のコピーライターに多くの発想をもたらしただけでなく、多数のクライアント案件にも導入された。その一方で、表現手法を学習データに依存していたため、コピー表現のバリエーションが限られるという課題があった。

一方、近年の大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)の急速な普及・発展もあり、 dentsu Japanでは昨年7月からLLMをベースにしたAICO2の開発に取り掛かった。

「LLMがちょうど普及し、実用レベルに到達し始めた頃だったので、それらを使ったコピー生成、検証に取り掛かりました」(川田氏)

クリエイティブ職の仕事では成果物に新規性が要素として求められることも多くあるが、AIは過去のデータに基づいて出力するため表現に限界があり、結果、画一的なアウトプットになることも懸念されている。

しかし、岸本氏はこの点について「AIは最適解を導き出したり、特徴を見つけて学習データに近いものを出力したりすることに長けています。しかし、そうした出力は、人間の考える解とは異なる方向に向かうこともあり、時に創造的に見えることがあります。ゆえに、AIによっては思いもよらない単語の組み合わせや概念が生まれ、思考の拡張や新しい表現につながる可能性があると考えています」と説明した。

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