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大河原克行のNewsInsight 第326回 変わる企業評価のモノサシ、パナソニックが進める「サステナビリティ経営」の現在地

マイナビニュース / 2024年9月18日 15時45分

そのほか、コードレススティック掃除機に再生樹脂を採用し、製品全体の40%にまで高めた商品があるほか、タイでは、電池回収リサイクルプロジェクトを開始し、セブン-イレブンの店舗を通じて使用済み乾電池を回収して、乾電池から取り出した鉄のリサイクルを開始しているという。

○CO2削減は重要指標、電機の技術で貢献

一方、パナソニックグループでは、「CO2削減貢献量」を重要な指標のひとつに位置づけており、これを広く認知させるための活動を行っている。

パナソニック オペレーショナルエクセレンス 品質・環境本部環境経営推進部長の園田圭一郎氏は、「脱炭素社会の実現に向けて、パナソニックグループでは、リスクへの対応と機会への対応の両面に注目している。『リスク』では、様々な取り仕組みを通じた自社バリューチェーンでのCO2排出量削減により、ネガティブな影響を緩和することに取り組んでいる。ここでは、国際的基準であるGHGプロトコルが広く活用されている。一方、『機会』は、製品やサービスを通じた社会全体脱炭素化への取り組みを指し、企業活動を通じて、環境に対してポジティブな影響を拡大することになる。ここではエネルギー効率が高い製品の開発、再生可能エネルギーの導入促進などが該当する。だが、これを推し量るための削減貢献量という概念は存在するが、統一された基準がなく、社会的認知も低い」と指摘する。

削減貢献量とは、製品やサービスを導入しなかった場合と導入した場合の差分や、導入しなければ発生していたCO2排出を回避した際の差分を算出するものだ。また、削減貢献量はCO2排出量削減とは異なるものであり、削減貢献量はCO2排出量を相殺するものではないと定義。まったく別の指標に位置づけている。

たとえば、EV向けのバッテリーを生産した場合、需要の増大にあわせて生産量が増加すれば、結果としてCO2排出量は増加することになる。だが、これによって、EVが普及すれば、EVが導入されずにガソリン車ばかりの状況と比較して、CO2の排出は大きく削減できる。単純にいえば、この差分を削減貢献量として算出することになる。

パナソニックグループでは、2023年度には、CO2削減貢献量が3697万トンに達したと算定している。2020年度の2347万トンから大幅に増加しているが、太陽光発電システム、店舗用コントローラなど、多くのソリューション導入と、算定の精緻化が進展してことで可視化できる範囲が増加。対象製品が2020年度の28製品から、2023年度は56製品に増加したことも影響している。2024年度には3830万トンの削減貢献量を見込んでいる。

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