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物流の「2024年問題」は解消できる? 業界の課題、実態を3人の識者が明かす

マイナビニュース / 2024年9月25日 6時11分

「いろんなお客様と話す中で、デジタル化とか自動化するなら、逆にカスタマイゼーションをやめましょうと。個々の現場で、その現場固有のやり方をしているのに、後から入ってくる手法や、自動化で何かを変えようとすると、逆にボトルネックになっている」と問題点を指摘。

「適切な手順でいうと、デジタルを使って標準化して、そこから自動化、かつこの自動化も『どこが本当に自動化したほうがいいか』を工程から生産性、生産技術の観点ですべて見た上でやっていくことがすごく大事」と前野氏は見解を述べた。
物流業界の「2024年問題」

もう1つの流れとして、2024年問題や物流クライシスの問題がある。

伊藤氏は「Eコマースの分野は小さい会社も割と多い。個人で始めて、そこからビジネスが成長していくというモデルなので、大規模に出荷するようなお客様の比率は数パーセント。月間出荷数が1,000~2,000件くらいの会社が比率的には多い。だいたい3PL(サードパーティ・ロジスティクス)に物流を委託している会社が多いが、出荷数としては月間1,000とか数千件くらいが多い」と現状を語る。

そのような状況のなか、「EC物流をやっている3PL側も自動化したくても、お客様が流動的だったり規模がそんなに大きくなかったりする。ロボットとかを入れてもなかなか回収できる目処が立たないようだ。荷主との契約も1年契約など、大きい取引先が抜けたら稼働率が急に下がってしまう。ロボットとか機械化で自動化したくても、導入後の保証がないので、そこが一番困っている。ある程度の企業規模がある大手のメーカーやECであれば、ロボット化や機械化は自社の責任で導入できると思うが、3PLのように中小企業を束ねている会社だと自社でやるには投資のリスクが大きすぎる」と課題を明かす伊藤氏だった。

また、前野氏も「メーカー物流の場合、荷姿がだいたい決まっていて、ケースもだいたい標準化されているので、1日どれくらい出てくるかがだいたい分かっているので自動化しやすい。物流クライシスの視点よりは、いかに効率化していくかという目線で自動化をしている印象です」と述べる。

伊藤氏も「3PLも大手と中小で毛色が違うと思うが、大手と中小で共通している事項でいえば、荷主との契約年数が短すぎる点。荷主との契約が3~5年だからそれ以内に回収したいとあって、そこがネックになることは結構多い」と補足した。
物流業界の人手不足問題

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