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2024年5月に日本各地でオーロラを起こした太陽嵐の電波観測に成功、名大とNICT

マイナビニュース / 2024年10月2日 6時55分

また、太陽系を模した三次元空間の中心(太陽)から、太陽観測や地球周辺の人工衛星による観測から予想される太陽嵐に近いパラメータを入力し、その伝搬を磁気流体の方程式を用いて解く形で今回観測された太陽嵐の伝搬がNICTにて磁気流体シミュレーションとして解析され、その結果、電波の散乱が検出された方向は観測時間中に太陽嵐が通過していたと考えられる領域と概ね一致したという。さらに、この期間は複数の太陽嵐が発生し、それらが隣接・合体することで、高密度な領域が宇宙空間の至る所に形成されていた可能性が示唆されたともしており、この高密度な領域は特に電波を散乱しやすく、強い電波散乱がさまざまな方角で観測されたことを説明できるとした。

ちなみに5月10日に観測された顕著な電波の散乱現象はオーロラの原因となった可能性がある太陽嵐群によるものと考えられると研究グループでは指摘しており、特に複数の太陽嵐が複合することで大規模に発達する現象は地球への影響も大きくなる可能性があり、そのような現象を電波観測で事前に捉えたことには大きな意義があるとする。そのため、今後は太陽嵐の電波観測結果をリアルタイムに解析し、その結果を再現できるようなシミュレーションを行うことで、同様の現象を地球への到来前に予測できる可能性があるとする一方、今回観測された顕著な電波の散乱現象の方角は、シミュレーションから予想される太陽嵐の方角と完全には一致していなかったことから、この違いの解消には、より多くの観測データが必要となることに加えて、シミュレーションに使ったモデルの改良も必要と考えられるため、今後の研究が期待されるとしている。

なお、太陽嵐による電波の散乱現象をより高性能に検出するために「次世代太陽風観測装置」の開発計画が名大を中心に進められているが、この計画は最先端のデジタル信号処理技術を搭載した国内最大級の電波望遠鏡を開発し、現在の10倍の太陽嵐観測性能を実現するというもので、太陽嵐の予報精度を飛躍的に向上させることが期待されるという。
(波留久泉)



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