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「デビットカード」地銀が注力する理由とは

マイナビニュース / 2024年10月3日 16時50分

そこで加盟店開拓に際しては、インフラの構築だけでなく、加盟店に対して静岡銀行に口座を持つ利用者を送客することで売上の増加が期待できるように、静岡銀行側が負担してキャッシュバックを提供。消費を喚起することで地域経済の活性化を目指しました。

そうして23年度から加盟店獲得をスタート。1年目で3,000店舗以上、取扱高43億円に達しました。特にキャッシュレス化が遅れていた伊豆地区では、静岡県と連携して補助金制度によって実質無料で導入できるようにするといった取り組みも実施。

イシュイング(カード発行)事業では、2006年からクレジットカードとして「しずぎんjoyca」を発行しており、会員数は50万人。さらに今年3月から「しずぎんVisaデビットカード」を発行。約半年で2.3万人の会員を獲得しています。さらにJCBブランドのクレジットカードも今年6月から発行し、多様化するニーズに応えているといいます。

送客に向けては、静岡銀行の加盟店でしずぎんVisaデビットカードを利用すると2%をキャッシュバックするという恒久的なキャンペーンを実施。通常は0.25%還元のため、大きな還元となっています。

さらに10月1日からはしずぎんVisaデビットカードの利用で一人最大1000円のキャッシュバックキャンペーンも実施することで、さらなる利用促進、送客を狙います。ちなみにこのキャッシュバックの仕組みはVisaのロイヤリティソリューションを活用しており、静岡銀行側では特別な開発はせずに、簡単にキャッシュバックの設定ができたそうです。

今後は、デビットカードで銀行アプリの利用を増えることが期待できることから、加盟店のクーポンを銀行アプリ上に掲示していくことも検討するそうです。とはいえ、現状は「始めたばかりで、ニーズや加盟店の普及状況を見ながら進めている。大きな収益を見込んでいる状況にはまだなっていない」と大石氏は話しています。

地域のキャッシュレス化のもう1つの課題である法人間のB2B取引でのクレジットカード対応は「出遅れている」と大石氏。これからの課題と認識しているそうです。

Visaデビットの発行銀行はまだ41行と多くはありませんが、主要なメガバンクやネット銀行、北海道銀行や琉球銀行、千葉銀行、北國銀行など、大手地銀や特色ある銀行が参画しており、銀行数を増やすよりもカード発行枚数と利用頻度の拡大が重要だと判断しているそうです。

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