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心疾患検出の手軽な新手法 - TDKなどが通常環境下での心磁計測技術を実証

マイナビニュース / 2024年10月9日 21時35分

なおリアルタイム波形の計測は、心拍に乱れが生じる不整脈を検出するために重要な手法となる。共同研究では、不整脈患者10名を対象にした測定も実施され、不整脈によって乱れた心拍波形も今回の心磁計測手法によって正確に検出できることが判明。国内でも多くの患者が悩まされ、血栓ができることで重篤な脳梗塞につながることがある「心房細動」の検出にも貢献できるとした。
○心電図との併用で心疾患診断法のさらなる向上に貢献

今回のTDKとTMDUによるSTORM systemを用いた共同検証により、心磁図からも心電図と同等の情報を得られることが明らかとなった。

この手法では、非侵襲・非接触での測定が可能であり、今後はより自然な座位姿勢でも計測できるよう背側からのセンシングを可能にするための技術向上を進めるとのこと。実現すれば、着衣のままさらに手軽に検査が受けられる上、胎児の心臓興奮など心電図では得られなかった項目も評価できる可能性があるとする。また従来の検査では困難であった、微小循環障害による心筋虚血の診断や不整脈疾患のリスク評価も可能になることから、今後の実用化が期待される。

TMDUの笹野教授は心磁図検査について、成熟技術として広く用いられ、さまざまな知見や標準データなど「多くの資産が存在する」という心電図検査に完全に置き換わるものではないとしつつも、「心電図が苦手としている部分を検出するために心磁図が大きな役割を果たす可能性がある」と話し、簡便な心疾患の診断法の開発などにつなげていきたいとする。

またTDK 技術・知財本部 センサ・アクチュエータ開発部の笠島多聞氏は、同社がNivio xMRセンサを医療機器として販売する考えはないというものの、「センサによって社会に貢献していきたいという想いはある」と語る。そして今後は、磁気センサの感度をさらに改善することでTMDUと共同でシールドレス心磁計測の進化に貢献するとともに、医療機器メーカーへのセンサ提供などを通じて医療診断への活用を広げていきたいとしている。
(鶴海大輔)



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