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サイボウズ Officeからkintoneへ乗り換えた成田デンタル、成功の秘訣は「共感を得る仕組み」

マイナビニュース / 2024年10月11日 7時0分

2つ目の壁は、パッケージ版のサイボウズ Officeの開発・販売が2027年に終了してしまうことだ。クラウド版のサイボウズ Officeへ移行することも検討したが、ユーザー数の上限が300人と、近い将来足りなくなると考え移行を断念。そこで吉原さんが目を付けたのがkintoneだった。
一筋縄では行かぬkintoneへの引っ越し

しかし、サイボウズ Officeからkintoneへの移行は一筋縄では行かなかった。

kintoneへの移行を決心した吉原さんが取締役会で提案を行ったところ、役員たちから「コストがかかる」と一蹴されてしまったのだ。

「役員たちの反応は当然のことでした。サイボウズ Officeで実現してきたことを、そっくりそのままkintoneで実現しようとすれば、どうしてもコストが高くなってしまう。そこで、ただの引っ越しではなく、付加価値をつけた引っ越しを提案しようと考えました」(吉原さん)

吉原さんが考えたkintoneの付加価値とは、サイボウズ Officeでは実現できていなかった、ルート表や営業が月に1回提出するレポートの「フォーマットの全社統一」と「クラウド保存」を実現すること。

そして、何のために書かれていたか分からなかった営業の活動報告と顧客管理に売上実績を統合することで、フィードバックしやすい環境を整えること。営業のマネジメントの質の向上につながると考えた。

こうして役員たちへ再提案したが、「コストがかかる」と役員の反応は変わらなかった。だが、kintoneの付加価値が評価され「お試しのアカウントでスモールスタートならOK」と許可が出た。

プラグインはコストがかかるため、JavaScriptによるカスタマイズでアプリ開発をしようと考えた吉原さんは、サイボウズの公式サイト「cybozu developer network」でJavaScriptを猛勉強した。プラグイン開発やカスタマイズに必要な基礎知識を身につけていった。

ついに、プロトタイプのアプリを開発。取締役会で披露したところ「まずは2つ3つの営業所で試して、全社展開するときはトップダウンをうまく利用してほしい」と評価された。付加価値を提示して実際にアプリを作って見せる。こうした吉原さんの努力が、kintoneの本格的な導入につながった。

「共感を得る仕組みは、現場と徹底的に対話しプラスアルファの付加価値を付けること。そして、それをアプリで共有することだと思います」(吉原さん)
「人を動かす仕掛け」を入れたアプリを開発

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