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未来の航海士が海運会社の最新の取り組みを学ぶ - 大阪港、京都府立海洋高校の乗船実習レポート

マイナビニュース / 2024年10月11日 17時50分

京都北部地域で過疎化が進んでいる影響で、同校では自宅からの通学生が減少傾向にあり、在学生のうち自宅生は半数以下に留まる一方、大阪をはじめ他府県出身の寮生や下宿生の比率が高まっている。

とくに近隣に水産系の専門高校がないエリアからの進学者が年々増加しており、近畿・中部、北陸、関東など全国の中学生から“選ばれる水産系高校”のひとつとなっているようだ。同校では昨年度に校舎の一部を改築して寮の定員を増やすなどして、他府県出身の自宅から通えない学生への対応を進めている。

総務担当者からの学校説明会後、同校の生徒たちは「みずなぎ」の船内や設備、学校生活などを参加者たちに紹介。海洋観測のための装置や入港の際の係留作業などについても説明していた。

○■燃費改善効果に優れた最新のコンテナ船設備を見学

実習船の見学会などを終えた高校生たちは昼休憩を挟み、大阪南港の岸壁に停泊する新造貨物船「島風(しまかじ)」のブリッジや機関室などを見学した。

2021年7月に竣工した同船は大阪と沖縄・那覇を結ぶ「丸三海運」の内航コンテナ船で、最新技術を用いた高効率推進器を搭載し、推進性能向上効果を最大化。データの連携・蓄積・分析を通じた海事DX(デジタル・トランスフォーメーション)の実現により、燃料消費量や温室効果ガス排出量を削減に大きな成果を出している。

ブリッジに搭載されている電子海図には、日本気象協会が提供する「POLARIS Navigation(最適航海計画支援サービス)」の気象情報を重畳表示させることで現在地、現在地、目的地、航海途中の気象の把握が可能。計画した航路にAIがそれらのデータをフィードバックして予測した“最適航路”の表示などもできるようだ。

内航船は外航船に比べて航路の選択の幅が狭く、一航海も短いため、最適航路により省エネ効果を得るには、高精度・高解像度な気象海象情報が不可欠。大阪-沖縄間の同一航路、船型、同等出力の船を比較対象船に選定した値で、同船は平均で約12%の燃料消費量を削減につなげているという。

○■リアルすぎる操船シミュレーションを体験

続いて、生徒たちは内航ケミカル船・LPG船の大手オペレーターの「田渕海運」に向かった。

創業1917年の同社は、主に海外から輸入される原油やそこから精製された石油化学基礎製品(誘導品)を運搬している。大阪に本社を構え、現在は東京、千葉、愛媛、山口、シンガポールに事業拠点を持ち、自社で5隻の社船を保有。船主会社との契約による傭船の運航事業も展開している。

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