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テレビ屋の声 第91回 『この世界は1ダフル』小宮泰也氏、“テレビが一番すごい”を胸に挑む32歳 手間を惜しまず「琴線に触れる」番組に

マイナビニュース / 2024年10月16日 6時0分

そしたらある時、うちの松本(彩夏『セブンルール』プロデューサー)が、話したこともなかったのに「この子面白いから」って拾ってくれました。そのまま『セブンルール』の立ち上げに呼んでくれて、「そんなにディレクターやりたいならやっていいよ」と言ってくれたんです。それで、当時まだ全然有名じゃなかった乃木坂46の齋藤飛鳥さんの密着をやらせてもらったのが、初めてのディレクターです。

――あの番組でタレントさんに密着するのは、まれですよね。

松本に「せっかくのディレクターデビューなんだから、小宮が今一番おすすめする子に密着していいよ」と言われて、「齋藤飛鳥ちゃんってどうですか?」と提案したら、会議で30人いた大人たちが誰も知らなかったんです。でも、番組として話題性が欲しいと言われていたので、「絶対ネットで話題になります」と企画書を作って、全員の前でプレゼンしたら通って。振り返ると、実力未知数のAD2年目に1本オンエアを任せるって、ありえないですよね(笑)

あの頃は上が詰まっていてずっとADをやり続けなきゃいけないのか…と思っていたので、この密着がなかったら会社を辞めていたかもしれないです。

――ターニングポイントになった番組ですか。

そうですね。『セブンルール』は30分番組なんですけど、実尺が20分ぐらいで、何百時間もカメラを回すんですよ。それで7個のルールを本人と話しながら決めていくんですけど、最後の7個目のルールはゴールが何百パターンにもなるので、すごく悩むんです。初めてのディレクターだったので、齋藤さんとも何度も議論しました。この人の魅力がどうしたらそのまま伝わるんだろう…と7個目のルールの3分弱のVTRを50パターンくらい作りました。それを1日かけて吟味して、いろんな計算や方程式をとにかく考えて、音楽も自分で選んで乗せて「これだ!」と思ったのをプロデューサーの松本に見せたんです。

そしたら、松本は普段めちゃくちゃ辛口なんですけど、深夜に電話してきて「VTRめちゃめちゃ良かった! 齋藤飛鳥ちゃんってめっちゃ素敵な子じゃん!」と言われまして、その時のうれしさがいまだに印象に残っています。今でもこの熱を忘れずに番組を作ってますね。

――7個目のルールは「乃木坂46で輝く」ですね。

ベタなんですけど、考えに考えてパターンを作った結果、そのルールで終わるのが一番しっくりきました。齋藤さんは普段OAを見ないらしいんですけど、この放送は見てくれてたみたいで、今でも会うたびに『セブンルール』の話をしたりします。

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