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米連邦取引委員会がサブスクリプションにワンクリック解約を義務付けるルール決定、その背景を解説

マイナビニュース / 2024年10月18日 13時4分

画像提供:マイナビニュース

米連邦取引委員会(FTC)は10月16日、各種サービスに簡単な解約手段の提供を義務付ける規制の最終案を発表した。この新ルールでは、サービスの加入・購入をするのと同じくらい簡単にサービスの解約・キャンセルできるようにすることが求められる。この最終案が決定されるまでの経緯・背景を振り返り、その内容と狙いをあらためて確認しよう。

○米国での規制は通信販売を想定して1973年に定められたもの

米国では、1973年に定められたネガティブオプション規制により、デジタルサービスの契約が規制されてきた。「ネガティブオプション」とは、日本では「送り付け商法」と理解されることが多いが、元来は「顧客が辞退しない限り定期的に商品を送付する」という形態の継続購入プログラムを指す。1973年のネガティブオプション規制は主に通信販売を想定し、正確な情報の事前通知、消費者による拒否/返品の権利の担保、購入プログラムの条件や消費者の権利の明確な事前開示などの要件を定めている。そして、その要件を満たしたうえで消費者による拒否・辞退の意思表示がない場合において、(明確な購入意思の表示がなくても)消費者が購入に同意していると業者が認識することを認めようという内容だった。

その後ネット通販やオンラインのサブスクリプションサービスが広まり、その契約についてもこのネガティブオプション規制が適用されるようになった。しかし近年、サブスクリプションサービスの増加、期限付き契約の自動更新や無料トライアル後の有料契約移行といった契約形態の一般化などを受け、見直しが必要だという声が高まっていた。FTCではネガティブオプション/サブスクリプションについての多数の苦情を消費者から受けており、その数は2021年の1日あたり42件から2024年には1日あたり70件近くに増加しているという。
○2023年3月に「Click-to-Cancel」条項を含む見直し案を提案

こういった状況の中、FTCでは2019年からネガティブオプション規制の見直し作業を行ってきた。2023年3月にはいわゆる「Click-to-Cancel」条項(ワンクリックで解約できるようにすることを求めるもの)の追加など、規制の見直し案を提案している。このとき提案されたのは以下のようなことを新たに義務付けるものだった。

解約方法がシンプルであること
解約希望者に追加オファーを行う際に新たな承諾を得ること
自動更新前に毎年リマインド・確認を行うこと

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