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京都競馬場の1大イベント、菊花賞の裏側でドコモが実施するトラヒック対策

マイナビニュース / 2024年10月20日 0時44分

MMUについてはイベント時のトラヒック対策として有効という感触があるようで、MMU搭載の臨時基地局を積極的に活用しているそうです。なお京都競馬場では整備工事に際して導入した既設の基地局ではMMUを利用していません。これは検討段階で不要と判断したためだそうですが、その後の分析でやはり必要ではないかという考えに傾いており、今後導入する可能性もあるかもしれないとのこと。片岡さんとしては、現在設備更新中の阪神競馬場にも「ぜひ入れたい」そうです。
○2台の移動基地局車で重要地点をカバー

今回の菊花賞における移動基地局の配置は次のようになっています。

ゴール前、パドック、入口(メインの入口となるステーションゲート)周辺を移動基地局車がカバーし、建物内やスタンド、広場を既設の基地局でカバーするというイメージになっています。ゴール前はレースの決着がつくだけでなく、近くに勝利馬の表彰・セレモニーが行われるウィナーズサークルもあって人が集中しやすい場所。パドックも馬体をチェックする人たちで混み合います。また現在はQRコードで入場管理を行っているため、入口周辺で通信障害が起こるととたんに人が滞留してしまいます。こういった重要な場所を移動基地局でカバーし、余裕のできた既設の基地局のキャパシティで他の場所をより手厚くカバーしようというわけです。

先の図にあったように、今回は2台の移動基地局車が投入されています。そのうち1台が前述のMMUをマルチビームアンテナと組み合わせて搭載しており、4G+5Gを強化します。

5Gだけでなく4Gも強化するのは、まだ4Gの利用者も多いというのに加えて、現在の5G利用の多くが非スタンドアローン型(5G NSA)であるためというのも大きいというのが片岡さんの説明。5G NSAでは5Gのデータ転送を行うためもまず4Gの接続で通信制御を行う必要がありますから、4Gの帯域がパンクしてしまうと5Gの通信もできなくなってしまうため、4Gの強化も必要になるわけです。

ちなみに4Gと5Gの通信の需要は「データ量を見る限りほぼ同じ」(片岡さん)とのことでした。また、5Gのミリ波はこの種のトラヒック対策としてはあまり役に立たず、今回の5GはSub6の周波数帯のみを使っているそうです。

もう1台の基地局車は、淀駅につながるステーションゲートとパドックの間に設置されていました。こちらは基地局車の上にアンテナが設置されており、その高さは約15m。基地局車の上にアンテナを設置する場合はこの高さが限界だそうです。

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