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大人のインフラ紀行 第4回 荒川第一調節池周辺を巡る2時間弱の水辺散歩は、物思いにふけるのにちょうどいい時間

マイナビニュース / 2024年10月24日 7時0分

埼玉県のさいたま市桜区から戸田市の荒川左岸に位置する「荒川第一調節池」は、そうした荒ぶる川の治水対策として計画された、全長8.1kmの巨大インフラである。

計画の全体像は、荒川周辺に5つの調節池を設置するというものだが、現在のところ稼働しているのは、1997年に完成したこの第一調節池のみ。第二・第三の調節池は、第一調節池のすぐ下流にて目下建設中(2018年着工)で、2030年の完成を目指している。第四・第五の調節池も、いずれ着工の予定なのだそうだ。

洪水時には3,900立方メートル(25mプール130,000杯分!)もの水を貯める能力を持つ荒川第一調節池のうち、平時も1,060立方メートルの水を湛える貯水池部分は、埼玉県の愛称である「彩の国」にちなみ“彩湖”と命名されている。

湖の周りには、各種スポーツやヘラブナ釣り、バーベキュー、ピクニックなどが楽しめる公園、散策路なども整備。湖自体も、立ち入り禁止の「自然保存ゾーン」以外は「親水ゾーン」とされ、たくさんの人がウィンドサーフィンやカヌーといったウォータースポーツを楽しんでいる。

彩湖が荒川第一調節池の一部だということはわかる。

ではどこからどこまでが荒川第一調節池なのか――というのがつかみにくいが、どうやら今、自分が見渡しているあたり全域ということらしい。もしも荒川が荒れ狂った場合、公園を含む広大な河川敷全体が水の底に沈む。増えた水をここにしっかり溜め込むことによって、荒川の堤防決壊を防ぐというのが、調節池の役割なのだ。

ある夏の日の昼下がり。

そんな重大使命を担う地、荒川第一調節池の中を一人歩いてみた。

○彩湖をぐるっと巡る歩行者専用道路をひたすら歩く

彩湖に隣接する公園の駐車場に車を置き、まず向かったのは「彩湖自然学習センター」。

5階建ての同センターには、荒川の周囲に生息する動植物の解説展示とともに、荒川治水の歴史と調節池の仕組み・役割などがパネルで示されていた。

前段で述べた荒川と調節池に関する知識は、ここで手っ取り早く吸収したものである。

上階や屋上は展望フロアになっていて、彩湖を見渡すことができた。

どこのフロアに行っても人っこ一人見当たらず、貸切状態だと思っていたら、展望室になっている5階に、彩湖と湖にかかる橋をゆっくりと眺めているおじさんが一人いた。

こんなド平日の昼間に、何をやっているのだろう。

こっちも人のことを言える身分ではないが。

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