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カレー沢薫の時流漂流 第323回 NHKのワンクリック契約、我々うかつな日本人への警鐘かもしれない

マイナビニュース / 2024年10月28日 15時22分

画像提供:マイナビニュース

ローカルニュースを見ていると3回に1回は「地元の老が特殊詐欺に引っかかった」というトピックが出てくるのだが、最近その内容が電話での振り込め詐欺から「SNS上での投資詐欺」に代わり、ついに国際ロマンス詐欺に引っかかる老が登場した。

こういう手口の詐欺があると警鐘を鳴らすために名称が必要なのはわかるが、こんなハーレクインと現実の区別がつかなくなった人しか引っかからなそうな名前にするのはいかがかなものかと思う。

ちなみに私は二十代前半のころハーレクインにハマり、ほぼ毎日古本屋でハーレクイン小説を購入していたところ、レジが同級生であったことが判明し「お前だったのかい…毎日ハーレクインを買っていく女ってのは…」と現実が辛すぎるごんぎつねみたいにされてしまったが、私はそれ以前に「女性向けエロゲーを買おうとしたらレジが同級生」を経験していたので、その程度では少しぐらいしか動じない。

しかし、私ほどの面構えになっていない奴は国際ロマンス詐欺に引っかかったという事実を隠したくて被害届提出を断念してしまうこともあるのではないか。

詐欺に色恋やエロが使われやすいのは、引っかけやすいのと同時に訴え出にくいからなのかもしれない。

このように色恋やエロが絡んだ詐欺をマヌケに報道したり、名前をマヌケにしすぎると「俺はこんなのに引っかかるようなマヌケではない」と思い込んで同じ詐欺に引っかかるマヌケが減らないので、メディアはこれらが笑いごとではなく、いかに詐欺の手口が巧妙で、誰でも引っかかる可能性があるということを報道していかなければならない。

そういう意味では、出会い系で知り合った外国籍女性という設定の多分おっさんに1500万円だまし取られたことを、隠すことなく通報してくれた地元の60代男性には感謝したいし、そういう若干うかつな人でも1500万円以上の貯蓄ができるというのも朗報だ。
○ネット広告を誤クリックしたことが無い人だけが石を投げなさい

しかし、そうは言っても詐欺というのは引っかかる瞬間まで「自分は引っかからない」と思い込んでいるものだし、詐欺では? と疑いを抱くこともなく詐欺られていたりもする。

先日、ドラッグストアで薬を購入しようとしたところレジの者に「大丈夫ですか?」と言われた。

脇腹に包丁が刺さったままロキソニソを買いに来たわけではなく、文脈としておかしいと思うかもしれないが、実は私にとってこれは珍しいことではない。

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