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どこでもサイエンス 第294回 これまでの万博の科学技術なレガシー

マイナビニュース / 2024年10月30日 9時59分

フライトシミュレーターは業務用もさることながら、ゲーム等でもいまでも人気です。もしかしたらこの時体験した人たちが「偉い人」になった時にスポンサーになったり、後押しをしたり、いや自ら開発をしたりしたのではないかと妄想します。

また、いまだに語り草になるのは、電信館で展示された「無線電話」です。携帯電話の元祖とも言えるもので、現在実物が東京の武蔵野にあるNTT技術史料館で展示されています。どこからでも、だれにでも話ができる。今では当たり前になっている光景ですが、その光景の夢が1970年万博にはあったのですね。

さらに、この万博では、コンピュータも活躍しました。普通の人がコンピュータを使うようになるのは1970年代後半のマイコン(パソコン)の登場以降です。それまではメインフレームや一部ミニコンなどMPUでなくICを積み上げて作ったコンピュータが活用されました。もちろん会社や官公庁、大学などでないと運用できない代物ですから、みんなコンピュータなんて見たことなかったんですよね。

それが、1970年万博の会場では、アイビーエム館や古河パビリオン(富士通含む)のコンピュータ体験が売り物になりましたし、日立のシミュレーターもコンピュータが介在していたようですし、万博会場全体の情報共有(情報表示システム)にもコンピュータが使われていました。

また、ロボットも話題になりました。手塚治虫さんがアドバイスしたフジパン・パビリオンでは多数のロボットが楽器の演奏などをして「ロボットがある生活」の夢が広がっています。現在、そのロボットは愛知県の児童館で現役活躍中ということですからびっくりですね。メンテナンスとか大変だろうなあ。うちのルンバでもメンテは結構しないとなのに(部品交換くらいですが)。

また、会場には「電気自転車」「電気自動車」が走り、無線で連絡を取り合う人が大勢おり、なにより海外旅行が珍しかった時代に、多くの外国の人がスタッフや来場者としてその辺にいるわけです「金髪の人初めて見た」なんてのを思い出に語る還暦すぎの人も大勢いるわけです。それも広い世界を意識させたのでございましょうな。

しかし、いろんな夢がひろがっていたんだなぁと思うわけですよ。

一方、振り返ると、最新情報はネットで瞬間に入り、世界のあらゆるものがショッピングモールにあふれ、手元のPCやスマホで疑似体験できる世の中、万博でモノをもってこなくても、わかるけどなあーという話もあります。

しかし、モノを含めた環境というか世界というか、それを体験できるのは万博というイベントならですし、実際モノを見ると「思っていたのと違う-」ってなのもあるし「え、そんなものがあるの」というのはあると思いますよ。やはり、万博は行ってみないとねということですな。

また、近づいてくるといろいろ情報があると思うので、ときどき話題にしますね。

では。

東明六郎 しののめろくろう 科学系キュレーター。 あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。 この著者の記事一覧はこちら
(東明六郎)



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