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IIJ、バナーを出さずにブランド露出効果とプライバシー保護を両立するクッキー同意ツール「STRIGHT」提供

マイナビニュース / 2024年10月30日 10時58分

画像提供:マイナビニュース

インターネットイニシアティブ(IIJ)は10月29日、Webサイトにおけるクッキーの取得・利用において、サイトの利便性や製品・サービスのブランドを損なうことなく、利用者に透明性のある情報開示と同意の管理機会を提供するサービス「STRIGHT(ストライト)」を提供開始した。
クッキーは何が問題なのか?

新サービスを紹介する前に、クッキーについて整理しておきたい。現在、クッキーなどの端末識別子を用いて本人の知らないうちに行動を分析したデータが広告ネットワークを通じて流通していることが問題視されている。これらデータは所得、家族構成、病歴、思想などが推定可能なセンシティブな情報が含まれており、扱うにはルールが求められている。

実際、欧州や米国の海外規制では、クッキーバナーの掲出が一般的となっている。ビジネスリスクコンサルティング本部 ビジネスリスクコンサルティング部長の中西康介氏は、「世界各国の情勢を踏まえると、プライバシーは経営リスクとなる。法的要件を遵守するだけでなく、ステークホルダーが嫌な思いをしないようにする必要がある」と指摘した。

そのために、企業は自社のサイトにおいて、積極的に情報を開示するとともに、本人関与機会を提供する必要があるという。

クッキーの規制としては、本人関与機会を提供するため、オプトインまたはオプトアウトなどの実装が必要となる。日本では、サイト訪問時に処理を開始し、訪問者が処理を停止する機能の実装がJIAA(日本インタラクティブ広告協会)のガイドラインによって推奨されている。

中西氏は、消費者が同意に疲れた結果、同意が形骸化し、ダークパターンの助長につながることもあると指摘した。
ブランドサイトにおけるクッキーバナーの課題

加えて、クッキーバナーにも課題がある。ご存じの通り、クッキーバナーは、Webサイトに最初にアクセスしたときに目立つように表示されることが多い。中西氏は、「クッキーバナーを導入すると、『デザイン性が損なわれる』『ユーザーの離脱率が上がる』『測定が困難になる』といったことが起こりうる」と、クッキーバナーの問題点を指摘した。

しかも現時点では、クッキーバナーの掲出は法的義務ではない。そのため、クッキーバナーを導入したくないと考える製品・ブランドサイト担当者は多く、ブランドサイトではクッキーバナーが敬遠されているという。

しかし、中西氏は「法務や広報の担当者は、法的義務はなくてもクッキーバナーを導入して、自社がプライバシー保護を重視しているという姿勢を示したいと考えている。企業はクッキーバナーについて二者択一に迫られている」と語った。

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