大河原克行のNewsInsight 第338回 「感動」を結びつける、ソニー流サステナビリティの方向性と具体策
マイナビニュース / 2024年11月1日 14時49分
「電力消費が大きいET&S(エンタテインメント・テクノロジー&サービス)、G&NS(ゲーム&ネットワークサービス)分野の製品では、さらなる省エネ化が重要になる。また、製造事業所での消費電力が大きいI&SS(イメージング & センシング・ ソリューション)での再エネ化にも力を注ぐ」という。
SIEでは、国連のPlaying for the Planet Allianceへの貢献を目的に、気候変動に対する認識向上に向けた活動の一環として、VR技術を採用したアプリ「Climate Station」を開発中であり、国連環境計画 (UNEP) の協力を得て、複雑な気候データを一般ユーザーが閲覧し、インタラクティブに学び、理解を深めることができるようにする。また、「アーロイの森」プロジェクトを推進し、ユーザー参加型の生物多様性の保全活動も進めている。
スコープ3でのサプライヤー支援では、パートナーエコチャレンジプログラムを展開し、サプライチャー主体での省エネや再エネを推進。日本だけでなく、中国に工場を持つサプライヤーとも共同で活動を行い、それそれの状況にあわせた活動提案にも取り組んでいる。
さらに、サーキュラエコノミーについても触れた。世界各地で回収した使用済み製品の再資源化を進めており、ソニーが開発した紙素材である「オリジナルブレンドマテリアル」はXperiaやヘッドホンのパッケージに使用。もみ殻から生まれた多孔質カーボン素材の「Triporous(トリポーラス)」は、Tシャツやカーペットに利用し、水や空気の浄化にも活用している。また、難燃性再生プラスチックの「SORPLAS (ソープラス)」はスーツケースやPCケースに利用。新たに開発した「高音質再生プラスチック」はサウンドバーのフロントパネルなどのオーディオ製品に採用されているという。
志賀ゼネラルマネジャーは、「2026年度からのGM2030の策定も開始している。GHG総量での削減や、循環資源の利用の加速が注力分野になる。2025年秋に開示したい」と述べた。
ソニーグループのパーパスは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」ことである。サステナビリティへの取り組みでもその姿勢は変わらない。サステナビリティと感動を結びつけるのが、ソニー流のサステナビリティ活動といえる。
(大河原克行)
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