東奔西走キャッシュレス 第67回 インバウンドでもっと伸びる? 日本のキャッシュレス決済
マイナビニュース / 2024年11月1日 18時17分
日本のキャッシュレス決済比率が4割を超えようとしています。2025年という国の目標は、前倒し達成が間違いないところですが、さらなるキャッシュレス利用の増加におけるきっかけのひとつになりそうなのがインバウンドです。
インバウンドのキャッスレス利用が、日本のキャッシュレス決済拡大に繋がるでしょうか。
○いつものキャッシュレス決済を海外でも使いたい
欧米や韓国、オーストラリアなど、キャッシュレス決済比率の高い国は多くあります。キャッシュレス推進協議会が公表している世界主要国における2022のキャッシュレス決済比率(2022年)によれば、キャッシュレス決済比率が高い順に韓国、中国、豪州、シンガポール、英国、カナダ……といった順番になっており、日本より低い国は調査対象国の中でイタリアとドイツだけでした。
一方、2023年の訪日外国人の数は2,500万人を突破。国・地域別では、韓国、台湾、中国、香港、米国、タイ、フィリピン、豪州、シンガポールといった順番でした(日本政府観光局調べ)。キャッシュレス決済比率の高い国からの訪日外国人も多くなっていますし、こうした人たちは自分の国と同じようにキャッシュレス決済を使いたいと考えるでしょう。
実際、自分を振り返っても、海外では(中国を除いて)基本的にはクレジットカードを使っています。外貨建てのデビットカードであるSony Bank WALLETを使う場合もありますが、いずれにせよキャッシュレスでの決済がメインで、特に欧米だとまず現金を使う機会はありません。
中国や東南アジアだと現地のQRコード決済が必要な場合があって、まだ現金が必要な場面は多いように感じます。QRコード決済としては、中国ではAlipayやWeChat Pay(連載第32回参照)、シンガポールではGrab Pay(連載第54回参照)が日本人でも利用できます。
日本に来た外国人も同様にキャッシュレス利用を期待していると思われます。ただ、日本のQRコード決済を外国人旅行者が使うのは難しいため、クレジットカード利用がメインになっているでしょう。また、最近では中国・東南アジアのQRコード決済が日本で使える場面も増えてきているので、そのユーザーはそれをそのまま利用できるケースもあるでしょう。
ただ不思議なのは、外国人旅行者が増えていることで、クレジットカードの利用が増えているというわけでもないようなのです。
○なかなか増えないインバウンドのキャッシュレス
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