ディーン・フジオカ主演『モンテ・クリスト伯』は数ある“復讐劇”の中でなぜ「別格」なのか…一気見に最適な理由
マイナビニュース / 2024年11月6日 11時0分
●19世紀フランスの小説を現代日本に
現在放送中の秋ドラマで映像にこだわった作品と言えば、『嘘解きレトリック』(フジテレビ系、毎週月曜21:00~)。同作は昭和初期が舞台であり、放送前は「民放に時代物は難しい」と不安視されていたが、西谷弘チーフ監督ら演出陣がどこかノスタルジーを感じさせる親しみやすい映像美で魅了している。
そんな西谷監督が演出したドラマと言えば、『白い巨塔』(03年)、『ガリレオ』(07年)、『任侠ヘルパー』(09年)、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(14年)、『シャーロック』(19年)、『あなたがしてくれなくても』(23年)など名作ぞろい。ただ、「隠れた名作」と言われ、動画配信サービスでの“一気見”に向いているのが、『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(18年 ※FODで配信中)だ。
原作は19世紀フランスの作家・アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』(巌窟王)で、舞台を現代日本に移してドラマ化された。放送当時は「よくある復讐劇の1つ」とみなされがちだったが、どんな見どころがあったのか。さらに圧巻の最終回とは? あえてある程度のネタバレをしながら、その魅力にふれていく。
○「大河ドラマ級」のキャスティング
まず導入部分のあらすじをあげておこう。
物語は2003年春、漁船員だった柴門暖(ディーン・フジオカ)は喫茶店を営む目黒すみれ(山本美月)へのプロポーズを成功させ、幸せの絶頂にいた。しかし、暖の乗る遠洋漁船「海進丸」が遭難してしまう。何とか生還して、すみれと結婚式を挙げるが、その最中に身に覚えのない罪で逮捕されてしまうところからスタートした。
暖は遠い異国の牢獄で拷問を受け続けていたが、8年後の2011年に投資家・入間貞吉(伊武雅刀)の身代わりにされ、息子の刑事・公平(高橋克典)が関わっていたことを知る。2017年になってついに脱獄に成功し、ようやく故郷に帰還したが、親も家も失っていた。
さらに旧知の仲だった南条幸男(大倉忠義)と神楽清(新井浩文)による裏切りを知り、復讐を決意してシンガポールに向かう。1年後の2018年、暖は牢獄で知り合ったファリア真海(田中泯)の莫大な遺産を引き継いでモンテ・クリスト・真海に改名し、投資家として帰国。自分を陥れた人物への復讐を進めていく。
あらすじを見ると、やはり「よくある復讐劇の1つ」と思うかもしれないが、まず登場人物の相関図がすごい。
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