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「2024年秋ドラマ」オススメ5作&傾向分析 “超安定路線”で際立つ「日曜の難しさ」とは

マイナビニュース / 2024年11月7日 12時0分

画像提供:マイナビニュース

パリ五輪の開催などで難しいクールだった夏が終わり、秋ドラマの主要作が出そろった。例年、一年の締めくくりとなる秋ドラマは強力なスタッフを立てた力作ぞろいだが、今年はどうなのか。

主要作がそろったこのタイミングで「本当に質が高くて、今後期待できる作品」を唯一のドラマ解説者・木村隆志がピックアップ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視」したガチンコで、今回の第1弾では「2024年秋ドラマ主要24作の傾向とおすすめ5作」、次回の第2弾では「目安の採点付き全作レビュー」を挙げていく。

2024年秋ドラマの主な傾向は、【[1]超安定路線で際立つ「日曜の難しさ」 [2]各局きっての演出家が魅せるこだわりの映像】の2つ。

傾向[1]超安定路線で際立つ「日曜の難しさ」

今秋はゴールデン・プライムタイム(19~23時)で放送される16作中9作が刑事・医療・法律の定番3ジャンル。そのほとんどがシンプルで見やすい1話完結型の構成であることも含め、「視聴率獲得」という点で失敗しづらい堅実路線と言っていいだろう。

ただ、今秋で目立つのは、『相棒』(テレビ朝日、水曜21時)や『オクラ~迷宮入り事件捜査』(フジテレビ、火曜21時)などのオーソドックスな作品ではなく、ひとひねり入れた設定。

あえて昭和初期を舞台に選んだ『嘘解きレトリック』(フジ、月曜21時)、超常現象などを扱った刑事モノ『全領域異常解決室』(フジ、水曜22時)、フリーランスの看護師コンビが主人公の『ザ・トラベルナース』(テレ朝、木曜21時)、医者と刑事の異業種バディが事件に挑む『D&D~医者と刑事の捜査線』(テレビ東京、金曜21時)、小学生にまつわる医療を描いた『放課後カルテ』(日本テレビ、土曜21時)など、「定番ジャンルだからこそ差別化しなければ」という意識がうかがえる。

しかし、それでも堅実路線であることは変わらないため、視聴率もネット上の反響も一定レベルに留まり、ヒットしているとは言い難い。“刑事・医療・法律の一話完結ドラマ”という堅実路線の中で、どんなに設定を工夫し、クオリティを上げようと思っても限界があるのだろう。

一方、序盤で評判がいいのは、TBSの看板枠・日曜劇場の『海に眠るダイヤモンド』(TBS、日曜21時)と、兄弟の物語に不穏な事件を絡めた『ライオンの隠れ家』(TBS、金曜22時)あたりか。前者はTBSが誇るプロデュース・新井順子、演出・塚原あゆ子、脚本・野木亜紀子のトリオが手がける品質保証、後者はTBS伝統の「金曜ドラマ」らしいヒューマン&ミステリーを追求したどちらもオリジナルで、力作と言っていいだろう。

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