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「2024年秋ドラマ」オススメ5作&傾向分析 “超安定路線”で際立つ「日曜の難しさ」とは

マイナビニュース / 2024年11月7日 12時0分

次にTBSは『海に眠るダイヤモンド』の塚原あゆ子が『Nのために』『リバース』『アンナチュラル』『グランメゾン東京』『最愛』など。『ライオンの隠れ家』の坪井敏雄が『凪のお暇』『私の家政夫ナギサさん』『妻、小学生になる。』『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』などを手がけてきた。

日テレは『若草物語』の猪股隆一が『家政婦のミタ』『家売るオンナ』『コントが始まる』『リバーサルオーケストラ』『セクシー田中さん』など。『放課後カルテ』の鈴木勇馬が『偽装不倫』『二月の勝者―絶対合格の教室―』『恋はDeepに』『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』などを手がけてきた。

いずれもフジ、TBS、日テレを代表する作品の映像を担ってきた演出家であることがわかるだろう。当然ながら今秋の作品でも、カット割りやカメラワーク、ライティングや音響、ロケや美術、演技指導などにこだわった様子がうかがえる。自分がカメラマンとして映像を撮っているつもりでドラマを見ると、そのこだわりがわかるかもしれない。

これらの傾向を踏まえた今クールのおすすめは、『ライオンの隠れ家』『嘘解きレトリック』の2作。

『ライオンの隠れ家』は、自閉スペクトラム症の弟に合わせて規則的な生活を送っていた主人公のもとに謎の少年が現れ、日常が乱されていく……しかし弟と少年の間に絆が芽生え、成長していく様子や、それを守ろうとする兄の姿に感動を誘われる。さらに湊かなえ作品などの“イヤミス”を放送してきた金曜ドラマらしい不穏なミステリーも健在。柳楽優弥に食らいつく坂東龍汰、無垢な子役・佐藤大空のやり取りは必見で、3人の暮らしがどんな着地を魅せるのか興味深い。

『嘘解きレトリック』は、月曜夜の視聴にフィットするライトミステリー。前述したベテラン監督たちが若い鈴鹿央士と松本穂香の魅力を引き出し、優しくも微笑ましい関係性を見せて視聴者を癒している。昭和元年が舞台の物語だが、NHKのようなリアルを追求した本格志向ではない映像は親しみやすさがあり、幅広い世代の見やすさにつながった。

その他、『放課後カルテ』は、病気を扱う医療ドラマでありつつ、小学校が舞台の学園ドラマであり、家族を絡めたホームドラマでもあるハイブリッド仕様。医療ドラマは外科手術が主流でジャンルの幅がせまくなりがちだが、子どもたちを当事者にすることで切実さを感じさせている。

『宙わたる教室』は数ある定時制が舞台のドラマの中でも、生徒の背景を最も丁寧に描いた作品ではないか。彼らに接する教師の距離感が心地よく、宇宙につながる今後の展開も楽しみ。『海に眠るダイヤモンド』は、盤石のスタッフ&キャストに向けられる期待値に負けない力感あふれる仕上がり。

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