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【TGS2024】テーマパーク化で展示会の課題を克服した「ゲームショウ」、直面する新たな課題とは

マイナビニュース / 2024年11月10日 16時15分

画像提供:マイナビニュース

オンラインで新作情報を発表できるようになった昨今、大規模な展示会の必要性は薄れてきています。特にアパレル業界では、その傾向が顕著のようで、パリコレ、ミラノコレクション、ニューヨークコレクションなど、名だたるファッションショーを見に行く業界関係者は減っているといいます。

ゲーム業界にも例に漏れず、世界最大級のゲーム展示会であった「E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)」は2023年末に終了を発表しました。

そんな背景もあってか、今年の「東京ゲームショウ(以下、TGS)」の取材には若干、気が乗りませんでした。コロナ明けの見事な復活を果たした2023年と比較すると、あくまで前年の延長線上で展開されることが予想でき、インパクトに欠けると考えていたからです。

また、「TGSはゲーム業界の最先端である」といった声が業界関係者からは聞こえてこないのが現状。むしろ「TGSから撤退できたら産業の勝者である」「いかにTGSに頼らない自社プラットフォームを構築できるか」など、TGSが「脱出ゲーム化」しているような見解もあります。

とはいえ、結果として、過去最大の出展社数、歴代2位となる来場者数を記録したのは、特筆すべきであり、今回のTGSの記事を「1つのゲームの展示会としての評価」に留めてしまうのはもったいないでしょう。

展示会が抱える2つの課題、「失われた情報の非対称性(※1)」、クラスター(※2)の数が増えて「多様化した価値観」についても、TGSは見事な回答を出しているように思えました。

※1 商品やサービスの売り手と買い手の間、または企業と投資家など異なる経済主体の間で保有する情報に格差があること
※2 同一の購買特性を持つ母集団

そこで本稿では、少し視野を広げて「展示会がオワコン化する時代に、なぜTGSが生き残れているのか」に注目します。

「失われた“情報の非対称性”」をテーマパーク化で回避

ゲーム業界の人たちにとっては「当たり前」なのかもしれませんが、さまざまなジャンルの展示会を取材している筆者にとって、TGSは“テーマパーク化”に成功した展示会といえます。

例えば、日本最大級の美容関連の見本市「ビューティーワールド ジャパン」は、エンタメ要素が強まっており、テーマパーク化が進みつつありますが、まだ伸びしろがあるように感じます。

もちろん、商材の特性上、すべてがエンタメに向いているわけではなく、toC適正の強いTGSだからこそできる芸当であることは間違いありません。

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