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DXとセキュリティをともに推進するポイント 第1回 企業に競争力とセキュリティのリスクをもたらすDXを再考する

マイナビニュース / 2024年11月18日 15時19分

イノベーションを実現する手段はデジタル化

政府がDXを強く推奨する背景には、いわゆるGAFAMのようなテクノロジーを背景にしたゲームチェンジャーの台頭がある。

AmazonはECサイト運営事業者にもかかわらず、物理的な本を通販するビジネスモデルをとっているため、黎明期には冷ややかな視線を向けられることもあった。しかし、デジタル化によるデータ活用の強みを生かし、ユーザーの購買に関するさまざまなデータを収集・分析し、レコメンドなどの機能を次々に実装した。例えば、ユーザーが購入する書籍のジャンルを把握し、似た傾向のあるユーザーに対して購入していないジャンルの書籍を提案するといった形だ。

Amazonはデータを生かしたこれらの施策を行って顧客を増やした。さらに、書籍以外の商品も扱うようになり、他のECサイトを圧倒した。

また、Amazonは規模の経済や業務代行という物流業の考え方やセオリーをITインフラに適用し、今や当たり前となったクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」を産み出した。サーバは自分達で保有するものといったこれまでの常識を打ち壊すとともに、クラウドならではの特性により、日本を含む多くの企業のイノベーションを実現しているのは周知の事実である。

検索エンジンから始まったGoogle、Windows OSから始まったマイクロソフトも今やIaaSやPaaSを提供しており、事業ポートフォリオの大きな柱となっている。コンピュータの開発・製造を行っていたAppleは、電話を文字通りパーソナルコンピュータへと置き換える中で、われわれの生活を一変させるとともに、企業としても爆発的な成長を遂げることとなった。

いずれもデジタル技術を中核に据えた変化によって、従来事業とは異なる領域でビジネスを成功させており、変化に追随しきれなかった既存の事業者を駆逐したり飲み込むなどして成長を続けている。

DXが企業戦略の中核となっているのは、このためである。自らが新たなビジネスを創出しゲームチェンジャーとなる。あるいは新たなゲームチェンジャーが自らの業種に登場した場合にも負けない。DXは、既存の日本企業をこうした強い企業にするための方策ともいえる。
データ分析がもたらす新規ビジネスの方向性

DXにはある種の王道があり、まずはデータを活用できる環境を構築することが不可欠となる。加えて、事業部門のトライ&エラーに対応できる柔軟性と迅速性を維持するため、クラウドサービスを活用した柔軟なシステム構築も代表的な方策となる。その上で、ECサイトやポータルサイトを活用し、スマートフォン向けのアプリなどで利便性と顧客接点を増やすことで情報を集積し、新しいサービスを創造・提供して、さまざまなデータを取得するという好循環を生み出す

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