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兵庫県を代表する城崎温泉の旅館もDX化 - 宿泊業界の働き方の変化を紐解く

マイナビニュース / 2024年11月13日 9時30分

画像提供:マイナビニュース

デジタル技術の活用によって観光価値を向上させ、これまでにない新しい観光コンテンツの創出を目指す取り組み「観光DX」。

日本のこれからの成長産業のひとつとして挙げられる観光産業の現場では、昨今、どのような取り組みが行われているのだろうか。関西屈指の温泉街である兵庫県豊岡市城崎地区における取り組みを紹介する。

豊岡観光DX基盤

"街全体が1軒の旅館"をコンセプトに掲げる城崎温泉。

2022年に地域の45歳以下の若手経営者で構成される旅館青年部が牽引し、市、旅館組合、DMO(観光地域づくり法人)からなる「豊岡観光DX推進協議会」を設立。

実際の旅館ごとの宿泊データを集約し、地域全体の宿泊状況を統計化する「豊岡観光DX基盤」の構築に向けて取り組みを進めている。

かつて旅館青年部メンバーとして活動し、城崎温泉で「小宿・縁」などを営む、イースリー 代表取締役の田岡聖司氏は「観光業界においてもこうした施策自体がそもそも珍しい」と語る。また、その背景には"共存共栄"という歴史と伝統が育んだ地域特有の思想が根付いているからだと言う。

「城崎温泉には、70軒ぐらいの旅館がありますが、そのうちの半分以上が参加しています。ふつうはライバル関係にある旅館どうしで自分の旅館の宿泊データは見せたくないものですよね。それを地域全体で提供しているというのが他の温泉街ではまず考えられないことだと思います。城崎は1925年の北但大震災以降も共存共栄の精神で復興・発展してきた町で、協力して稼いでいくという考えが歴史的に根付いているんです」

およそ2年前から運用している「豊岡観光DX基盤」では、城崎温泉地域全体で入っている宿泊予約状況のデータを収集し、市やDMOがデータや観光指標の正確な把握やエリア動向をレポート化し、加盟している旅館と飲食店・物産店向けに毎日LINEグループで配信している。

観光DX基盤が提供する予約増減データや需要予測をもとに、各観光事業者は価格推移の可視化や、自社と地域の価格やプランの比較が可能なダッシュボードを閲覧して収益最大化や、施設の経営改善につなげているのだ。

「おもにそのデータを活用して、旅館の宿泊価格の値段を変更して最適化するレベニューマネジメントしています。海外の旅行サイトからのインバウンド客による売り上げ率とか、いろんなデータが取れるので、予約の現状を理解でき、データ分析をフィードバックできるので助かっています。あとは私どもの宿ではレストランとカフェを併設しているので、利用者予測を元に材料の仕入れを調整するいったところにもデータ活用しています」と田岡氏。

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