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兵庫県を代表する城崎温泉の旅館もDX化 - 宿泊業界の働き方の変化を紐解く

マイナビニュース / 2024年11月13日 9時30分

幸い、城崎温泉は横のつながりが非常に強いので、1泊目は当館で宿泊して、2泊目は城崎の中の別の旅館に宿泊するということが結構あり、その場合はスーツケースだとかお荷物を次に泊まる旅館に運ぶなどのサービスでカバーしています。城崎温泉の外湯は入浴できるフリーパスがあり、連泊する場合は、前に泊まった旅館がつなぎの入浴券を発行して、お客様にお渡しするといったような以前から行っている連泊のサービスをうまく活用しています」

現在は、宿泊予約はオンラインが主流となっている。以前と比べて電話の問い合わせが減ったことで、対面でのお客様のサービス向上につながっているという。

「事務仕事の負担が軽減され、お客様と接する時間が増えました。例えば、フロントのスタッフが夕食のサービスのほうにまわれるなどマルチタスクで働きやすくなりました。夜間スタッフの人手不足の解決にもなっています」

田岡氏は、DX基盤の構築を進める上での課題としてシステムの導入を挙げる。

「城崎温泉にある約70軒の旅館のほとんどが20室未満の小規模・零細な旅館が多いので、すべてに導入するのはなかなか難しい。データを提供するためのPMSというシステムをもともと契約しているという旅館はスムーズにデータを提供できるのですが、そのデータを提供できないシステムを使っている旅館や、ご高齢の方が経営している旅館だったりするとそもそもインターネットの使用が難しい状況です。手書きで台帳を書いているとか、そういったところは参加できないのです。

システムを新たに入れてもらうのにも、何十万円というお金がかかってしまう。城崎に必要なデータだから、そのデータを取るためにといって、新しいシステムの契約を無理に求めることはできません。そういった理由ですべての旅館が参加できていないところがあり、悩ましいですね」

「豊岡観光DX基盤」の最終目標は、地域の観光産業の持続的発展にある。その実現のための第一ステップとして、地域全体の宿泊データの統計化の仕組みの構築。

今後はさらに、「地域アプリ」の機能強化等デジタル技術による「城崎温泉ならではの体験価値」のアップデートを目指している。

「街全体でしっかり稼げる仕組みとより便利に街を観光できるサービスのシステムが一本化できるようにしたいですね。例えば、荷物の運搬が顔認証でシステム的にできればいいなとか。入浴券が以前は紙でしたがデジタルになっているので、発券に関してもデータが取れますし、どれくらいの間隔で巡っているのかといった行動的なデータのようなものも活用していきたいですね」

神野恵美 フリーライター・編集者。ワーキングマザーとして10余年、世の中にあるさまざまな便利ガジェット・ツールを駆使して、生き延びる。趣味は料理に掃除、洗濯と野球、旅行、音楽や映画鑑賞などなど、周りが呆れるくらい趣味人間。"モノ"より"コト"優先で生きてる。 この著者の記事一覧はこちら
(神野恵美)



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