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兵庫県を代表する城崎温泉の旅館もDX化 - 宿泊業界の働き方の変化を紐解く

マイナビニュース / 2024年11月13日 9時30分

城崎温泉でのDXの取り組み以前から、地域の旅館や飲食店、土産品店等の観光事業者における個人旅行客ニーズに対する“おもてなし力”の向上が課題としてあった。また、繁忙期や閑散期に応じた価格設定や経営資源の適切な配分・管理や、顧客満足度の向上、客単価の向上、業務負担の軽減に向けた取り組みが求められていた。

「大手旅館はある程度DXの必要性というものを前々から訴えていました。ただ、私どものように小さな旅館に関しては、本当にこんなのこれから必要になるの? というような半信半疑の状態で始めました。

街全体で取り組んで街全体で稼ぐためのシステムだということを説明し、なおかつレベニューマネジメントなどの考え方を導入して値付けができる。それまでは個人の経験に裏付けした感覚で『この週末はいくらぐらいだったら予約が入る』という方法だったのが、城崎全体の旅館が平均で今これくらいの価格で販売されているだとか、利益率が何パーセントくらいまで上がってきているだとか、だったらこの週末はこれくらいの金額で販売しても売れるというような形で各旅館がデータと分析を使用して収益の最大化を図る意識を高め、自分のところもしっかり稼げるようになるというところで、現在のような協力体制ができてきたのかなと思います」

このレベニューマネジメントを始めた時期と、旅館の改装費用を補助してくれる国の支援制度を使って、城崎温泉の大半の旅館が部屋をきれいにしたり、お風呂をきれいにしたり、高付加価値のための改装を工事して、設備投資をしたぶん価格を上げるというタイミングも重なり、「各旅館が一気に値段を上げすぎて、一時期城崎全体の予約が少なくなってしまったことも(笑)」という失敗もあったそうだ。
DXによる働き方の変化

一方、DX によって観光業界の従業員の働き方や接客面でも変化が見られると明かす。

「旅館としての変化で言うと、週に1回必ず休館日を入れるだとか、月に何回休館日を設定するだとか、休館日をしっかりと設けるようになったというのが城崎全体的に見受けられます。城崎ではないですが、多いところでは旅館自体を週3日休みにするとか、しっかり仕事とプライベートのバランスが取れるような働き方に変わってきたと思います」

とはいえ、特に外国人観光客は平日に2~3泊連泊する場合が多く、その調整が難しい。

「うちはおもに水曜日を休館日にしているのですが、ちょうど週の真ん中を休みにしてしまうと、連泊ができないというところで、なかなか予約につながりにくい部分も出てきたりはします。

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