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生命保険解約まで追い込まれた元・証券マンが挑んだ酒蔵建設! 「上川大雪」社長が語る"地方創生のカギ"とは

マイナビニュース / 2024年11月21日 18時3分

画像提供:マイナビニュース

人口減少・高齢化・産業衰退――。日本全国の自治体がぶつかる地域課題に、北海道の人口3,000人の小さな町「上川町」も同じく頭を悩ませていた。だが、2017年に「上川大雪酒造」の誕生を契機に、わずか5年足らずで道内に3つの蔵が造られ、空前の酒蔵ブームが巻き起こる。

書籍では、3つの蔵について次のように紹介している。

一つ目の蔵は、人口減少のやまない過疎のまちと力を合わせて「幻の酒」を生み出し、日本酒ファンの往来が始まってにぎわいを取り戻した。すると、新しい地域再生モデルが共感を呼び、企業や移住者を呼び込んで、多彩な官民連携のまちとして生まれ変わった。

二つ目の蔵は、国立大学のキャンパス内に設けられ、酒造技術者を養成する国内屈指の醸造学の拠点になりつつある。

三つ目の蔵は、観光都市にとって54年ぶりの酒造復活となり、魅力ある「地酒」をもたらした。原材料の酒米作りも始まり、荒れ放題の耕作放棄地が息を吹き返している。

このほど、そのストーリーを紹介した一冊の書籍『北の酒蔵よ よみがえれ!国を動かした地方創生蔵 上川大雪』(1,980円/垂見和磨 著)が世界文化社より発売された。

今回は、上川大雪酒造の代表取締役社長である塚原敏夫氏に本書にまつわる話や想いを聞いてきた。上川町でレストランや酒蔵を創業する以前は、野村證券やヘッドハンティング企業を渡り歩いてきたという同氏が考える、地方創生とは?
■苦労する資金繰り。有力者たちの信頼を得るコツとは

そもそも日本酒業界は参入障壁が非常に高い。ここ数十年で低迷を続けている国内の日本酒市場において、新規参入を認めてしまえば、日本酒の供給過多になり、過当競争で既存の酒蔵が淘汰(とうた)されてしまう可能性がある。そうなれば、国税収入の重要な地位を占める酒税を確保できなくなってしまう、と国は考えており、原則として酒造免許の新規取得は認められていない。

塚原氏は、この参入障壁の高い日本酒業界において、不可能と言われた北海道での酒造建設を、自治体や企業、地元住民と協力し成功させた。

同氏に酒造建設時、特に苦労した点を尋ねてみると……、即座に「圧倒的に資金調達です」との答えが返ってきた。元手が少なかった同氏は、家族に内緒で自身の生命保険を解約したほど資金繰りには苦労したのだとか。

では、どうやって有力者たちから資金調達を行ったのか? ポイントを聞いてみた。

「官民連携にこだわりましたね。上川町や自治体の人々をしっかり巻き込むことで、僕のわがままじゃなく、町もそう言っているんだとなり、ちょっとずつ信用をみたいなものがついてくるんです」

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