【決算深読み】シャープが2024年度上期に黒字浮上、通期黒字も見通す - ブランド事業が寄与
マイナビニュース / 2024年11月14日 16時7分
その一方で、下期はテレビ事業の構造改革を進める考えも明らかにした。
「2024年9月に発売した新製品が好調である。とくにOLEDが好調だ。だが、海外では低調な中国メーカーがアジアなどの海外市場において、低価格で販売をはじめており、競争が激化している。シャープは、2024年度下期から、自社工場で生産したテレビではなく、すべてをODMやOEMから仕入れて、価格競争力をつけて販売していく施策に転換する」と、海外テレビ事業の新たな施策を明らかにした。
また、通信事業は減収だが、スマホの販売台数は増加しており、なかでも、AQUOS R9やAQUOS wish4などの新製品の販売が好調だったという。
一方、デバイス事業の売上高は前年同期比24.9%減の4010億円、営業利益は前年同期から51億円改善したがマイナス201億円の赤字。そのうち、ディスプレイデバイスは、売上高が前年同期比23.6%減の2679億円、営業利益は前年同期のマイナス296億円の赤字に対して、マイナス248億円の赤字と48億円の改善。車載向けのディスプレイは底堅く推移したものの、スマホ向けやPC、タブレット向けのディスプレイや、堺ディスプレイプロダクトで生産を終了した大型ディスプレイが減収となった。沖津社長兼CEOは、「ディスプレイデバイスは、生産能力の最適化などの構造改革を進めた効果もあり、赤字が大幅に縮小した」としたが、「四半期での黒字化の時期については現時点では明確にできない」と述べた。
エレクトロニックデバイスは、売上高が前年同期比27.4%減の1331億円、営業利益は前年同期比6.9%増の46億円。新規受注を獲得した加工用半導体レーザーや、2024年より量産を開始した車載用の半導体レーザーが大きく伸長。だが、センサーモジュールの顧客需要変動がマイナスに影響した。
○通期業績予想は据え置き、アセットライト化で最終黒字を目指す
2024年度(2024年4月~2025年3月)連結業績予想は据え置き、売上高は前年比9.6%減の2兆1000億円、営業利益は100億円、経常利益は100億円と、当期純利益も50億円と黒字化を目指す。
「業績がほぼ想定通り進捗していることから、通期見通しは据え置いた」という。今後の資産売却などの影響は盛り込んでいない。
シャープが重点施策に位置づけているデバイス事業のアセットライト化の進捗状況についても説明した。
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