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大河原克行のNewsInsight 第339回 パナソニック「デザイン」が10年後を見ながら、いま実現しているもの

マイナビニュース / 2024年11月15日 13時42分

Donna Haraway氏が提唱する「Becoming with(共-生成)」という概念も取り入れ、人間は不完全な存在ということを前提に、人と自然、生物が関わり合い、人間が目を向けてこなかった存在にも気づき、行動を工夫していく提案も行っているという。

VISION UXでは、「未来の理想像」として、12本のテーマを用意。「都市を治療し、都市を看取る」、「明日を生きたいが溢れる場所」、「都市を治療した、その先に」、「カルチャーとしてのリジェネラティブ」、「社会に織り込まれたケア(昼)」、「社会に織り込まれたケア(夜)」、「融け合う家族、融け合う暮らし」、「ケアしケアされるためのテクノロジー」、「わたし“たち”の小さな穴蔵」、「明るい最後」、「優しい幽霊」のタイトルで、未来を描いた。

たとえば、「都市を治療し、都市を看取る」では、気候変動による自然災害の発見に伴い、街が大きなダメージを負うケースが増えていることに着目。街の看取りや治療にロボットを活用し、被災地で繁殖する菌を防いだり、人への負担や生物や自然にも配慮した復興を進めたりする様子を描いている。

また、「社会に織り込まれたケア(夜)」では、地球温暖化によって、生活時間が夜にシフトし、子供が夕方から夜にかけて遊ぶといった未来も想定。新たなセキュリティ対策など、夜の時間帯における新たな「ふつう」を提案している。

さらに、「明るい最後」では、技術の進化に伴い死生観がアップデートされ、死の方法やタイミングの選択に積極的に向き合う世界を表現。「優しい幽霊」では、死後の自分のデータの扱われた方を生前に決め、バーチャル空間では亡くなった人と一緒に時間を過ごすといった世界を表現。これまで企業が触れてこなかったテーマや、向き合わなくてはならない深刻な課題にも対しても踏み込んでおり、「こうした未来を描くことで、いまやることを変えるきっかけにつながる」との考えを示している。

ここで示す未来の姿は、パナソニックホールディングスの技術部門が打ち出した技術未来ビジョンによる「共助」や、GREEN IMPACT PLAN 2024(GIP2024)の生物多様性保全における「ネイチャーポジティブ」を目指した事業活動とも、連動することができる提案だとしている。

同社では、「多くの社会課題が生まれているが、パナソニックだけでは解決できないことばかりである。また、描いた未来のなかで、どんな技術やサービスが必要になるのかといった点では、まだ解像度が低いという課題もある。VISION UXを社外に公開することで、ありたい姿の実現のために、社内外のクリエイターと共創し、アイデアを醸成したり、PoCを行ったりといった活動につなげ、より幅広い発想と行動につなげていきたい」としている。

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