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NVIDIA AI Summit Japanパネルディスカッションレポート 第2回 国産の生成AI開発を支援する「GENIAC」の進捗と今後の課題は?

マイナビニュース / 2024年11月19日 11時0分

2期目では文章だけでなく、画像や動画、分子構造の生成などマルチモーダルなAIの開発が進んでいます。また、ユースケースを絞ったAIの活用も進んでいます。現在の課題はデータです。競争力のあるAIを作ろうとすると、やはりデータが必要です。データを持つ大企業もプロジェクトに巻き込んで、いかにスタートアップとのコラボレーションを促すのかを考えなければいけません。

井崎氏:第2期の議論の中ではデータプレパレーション(データを収集・加工し分析できるよう準備するプロセス)で採択されたプロジェクトもありました。第1期を振り返って、課題が見えてきた中で第2期の候補が絞り込まれているのを感じます。

渡辺氏:第1期は基礎体力作りの時期で、「とりあえず作ってみた」段階です。2期目は「何をどの分野でどのように使うのか」をしっかり考えるために、データを使う側の人たちも巻き込んでエコシステムを回さなければいけないと考えています。
スタートアップと大企業、AIを実装する事業者の見解は?

井崎氏:青木さんはGENIACに参加する側の立場ですが、どのような成果が出ていると感じますか。

青木氏:GENIACは動きが早く、自由にやらせてもらえるのでとても助かっています。成果は大きく2つあります。まずは、自動運転に応用できそうなVLM(Vision and Language Modeol:画像言語モデル)を自分たちで構築できました。

もう一つの成果は、GPUをたくさん提供していただいたことでリソースに余力が生まれたので、そこでいろいろ試せたことです。その結果、「世界モデル」を作れました。これは、世界をAIで再現しようというモデルです。

追加で一点挙げるとするならば、私たちが海外も巻き込んで資金調達をする際に、GENIACや日本政府の姿勢が海外から評価されています。国が軍隊を持っていると「AIを戦争の道具に使うのか」という疑念を持たれるのですが、日本は公式には軍隊を持っていませんので、その心配がありません。日本は鉄腕アトムを生み出した国でもありますし、AIを身近なフレンドとして捉えてきた歴史があります。そういった立場を上手に生かしているのがGENIACだと思います。

井崎氏:ソフトバンクは大企業として世の中に独自のAIを実装するリーディングカンパニーの立場です。最近はどのような戦略を持っていますか。

丹波氏:まず、より大きなパラメータを持つLLMの構築をチャレンジと考えています。当然、そればかりをやるわけにはいきませんので、数十億~数百億パラメータのモデルも並行して作っています。日本語をベースとしたLLMを作れるようにしておかないと、そもそもモデルを作る技術が自国で失われてしまうためです。他国製のLLMを言われたとおりに使うことしかできなくなる状況を危惧しています。

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