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富山の「段ボールの製造会社」の社員たちを変えたのは掃除だった – 指示待ち社員が変わった経緯を社長が明かす

マイナビニュース / 2024年11月25日 9時18分

「顧客本位」の考え方が浸透してからは、営業担当者は顧客と一緒になって包装・梱包の課題解決に取り組むようになりました。その課題を自社に持ち帰り、設計部門に「こんなのはつくれないか」「この問題を解決するにはどういった設計が必要か」といったことを投げかけていくのです。

これに伴い、設計部門も強化していきました。現在、設計士が10人在籍し、地元のデザイン学校や大学の芸術関連学部から新卒者を採用して社内で育成しています。

社内教育としては、包装開発部内で「基礎数学から段ボールの基本、図面のルール、結露の原理、緩衝理論」など基本を重視した勉強会や、自分たちが設計しながら学んだ「基礎的な専門知識」を部内展開する勉強会などを毎月実施しています。

また、日本包装技術協会が主催する「包装管理士講座」も受講させています。最終審査に合格すると「包装管理士」という称号が与えられ、包装の知識が高まることで顧客への提案の幅が広がるだけでなく、新たなアイデアも生まれやすくなります。

包装開発部では設計の賞を取るというのも大きなミッション活動の一つです。また、お客様の要望に応える設計を何件成立させるかというミッションもあり、それらに向かって設計士は日々努力をしています。

実際に日本包装技術協会主催の「日本パッケージングコンテスト」では、2017年に「立山ぐい呑みギフトパッケージ」が最高賞の「ジャパンスター賞」で日本貿易振興機構理事長賞を受賞。その下の各分野の賞でも毎年受賞しています。

2021年に世界包装機構主催の「ワールドスターコンテスト」で、開発に5年かかった「持ちやすい段ボール」が日用品部門で最高賞を受賞しました。

持ち手を工夫することで手指にかかる重さの負担を軽減したもので、「誰かのために」という会社の理念を自分のものにした社員の成長が生んだ成果です。

会社が社員に"考える力"を身につける場や環境を提供することで、社員は"人として"成長していくことができる。それは社員自身の人生を豊かにするだけでなく、それがひいては会社の成長につながると信じています。

人を育てることは公共としての会社の責任です。そのためには、サクラパックスが社員を成長させ、社員の人生を応援する会社であり、彼らの人生に役にたつ会社であることを維持していかなければならないと肝に銘じています。

○著者プロフィール:橋本淳(はしもと・あつし)
サクラパックス株式会社 代表取締役社長1971年富山県生まれ。法政大学卒業後、紙商社勤務と米国留学を経て1996年サクラパックス株式会社に入社。2008年社長就任。東日本大震災の支援経験を活かし企業理念を再構築し、顧客本位の組織改革を推進。社会貢献を重視し、事業拡大により成長。
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