江口洋介、社会派の作品が続いて息苦しい時期も…今は「フットワークを軽く」
マイナビニュース / 2024年12月7日 7時0分
とある新興住宅地を舞台に、住民たちの間に渦巻く"同調圧力"と忖度が引き起こす恐怖を描いた、同名社会派ミステリー小説を、脚本・前川洋一、監督・佐藤祐市のタッグで実写化した『連続ドラマW 誰かがこの町で』(毎週日曜 22ː00~ 全4話 WOWOWプライム/WOWOW 4K/WOWOWオンデマンド※第1話は無料放送)が、12月8日から放送・配信スタートする。『しんがり~山一證券 最後の聖戦~』(2015年)以来、およそ9年ぶりに「連続ドラマW」で主演を務める江口洋介に、本作の見どころや、「違和感を察知するために心がけていること」について語ってもらった。
――江口さんとしては、本作のどんなところにもっとも興味をそそられましたか?
僕としては、「これは、ある町を通じて集団による同調圧力と忖度の恐怖を描いた社会派ミステリーである」という言葉に、思わず乗せられちゃいましたね。というのも、"同調圧力と忖度の恐怖"って、なにも日本の新興住宅街に限ったお話ではなくて。世界中どんな国のどんな小さな町であっても起こりうるような問題だし。コミュニティの中で暮らしている以上、きっと誰もが多かれ少なかれ、常にそういった息苦しさと闘いながら生きているんだろうなと思うんですよ。でも、そういった問題がエスカレートしすぎると、やがて殺人にまで繋がってしまうという怖さがある。そんな、普段は隠されている人間の脆さを描いているところに惹かれたんです。
――一方で、江口さん演じる主人公が背負っている過去も、この物語の肝になりますよね?
僕が演じたのは、法律事務所で調査員として働く真崎雄一という男なんですが、彼には、政治家の秘書をしていた時代に、裏金作りに加担させられた過去がある。苦悩していた最中、自身の娘を自殺で亡くし、妻とも上手くいかなくなり、大きな心の傷と後悔を抱えている。そんな男が、赤ん坊の頃に両親と離れ、児童養護施設で育った麻希という少女から、『家族を探して欲しい』との調査の依頼を受けて、彼女と一緒に事件の真相に迫っていく。その過程で、真崎自身も自分の過去と向き合い、再生していく物語なんです。
生き甲斐を失い、人目を避けるようにして生きてきた男が、最終的にはある覚悟を決め、ジャケットを羽織り、再び表舞台へ出て行く。その真崎の後ろ姿が、ある意味、このドラマの象徴的な場面になっているとも言えるんですよね。陰惨な事件が絡んでいて、なかなか重い話ではあるんですが、最後まで見ていただけたらうれしいです。
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