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アートネイチャーが薄毛相談のAIチャットサービス開始、もたらされた導入効果とは

マイナビニュース / 2024年12月19日 11時0分

セキュリティ、ハルシネーションなどの不安や懐疑はあったものの、自分たちが実際に生成AIを使ってみて、サービスとして提供できるのではと判断した。2023年9月のことだ。
AIチャットの狙いは「カウンセリング」「情報提供」「ECサイトへの誘導」

AIチャット導入を決意した松永氏らは、社内横断的なプロジェクトチームを立ち上げて、毎月定例の「オールメンズミーティング」にアイデアを持ち込んだ。松永氏は「われわれ企画グループだけで決めるとつまらないものになってしまう可能性があります。広告、コンタクトセンター、商品開発部、新規営業部、店舗営業部など、さまざまな部署のメンバーが集まるミーティングで賛同を得て、メンズ部門をあげてのプロジェクトにしました」という。

翌年(2024年)1月以降、来季の事業計画として会長をはじめ幹部に提案し、春には承認を取り付けた。ChatGPTのブームも後押しし、幹部も新しいことをやろうという機運があったとのこと。

その後、開発に入る。そこで手を組んだのが電通デジタルだ。同社の選定時の評価点として、松永氏は「AIの先進性」「安心感」「コスト」の3点を挙げた。AIの先進性については、「AIチャットで選択式に提案する機能などが優れていた」と松永氏は話す。

同社初のAIチャットサービスで狙ったのは、カウンセリング、情報提供、ECサイトへの流入だ。カウンセリングは潜在顧客からの悩みに応じるもので、情報提供は同社の毛髪の知識や研究を紹介する狙いを持つ。

「カツラの会社と思われていますが、当社は薄毛のメカニズムや食事など毛髪についてさまざまな知識を持っています」と松永氏。ECではシャンプーやドライヤーを販売しており、潜在顧客との関係を保ち続ける場にしていきたいとの考えを明かす。

これを、個人情報に配慮した形で実現するAIチャットというのが要件だった。そうやって、電通デジタルと共に完成したのが「HAIRの部屋」だ。
AIはGoogleの技術を採用、その決め手は?

AIはGoogleの技術を採用した。その理由について、電通デジタルの山本氏は、「複数のAIを検証しましたが、GoogleのAI技術は追加の学習をさせることが容易です。将来的に使う可能性のある画像認識においても精度が優れています」と説明する。

なお、電通デジタルはプロジェクトに合わせてさまざまなAIを使い分けている。同社はモンゴルにグローバルのAI開発拠点を構えており、ここが重要な役割を果たしている。「私たちはグローバルのAI開発動向を常に注視しており、その用途に最適なAIを選定・実装できる体制があります」と山本氏はいう。

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