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『全領域異常解決室』“神”ドラマを成立させた構成の妙 納得をもたせる脚本と映像センスで応えた演出陣

マイナビニュース / 2024年12月19日 6時0分

今作のさらなるすごさは、ここまで外側の語るべきことがありながら、肝心の物語の詳細を振り返った時に、いまだに“訳が分からない”ことだ。

劇中には実際に伝えられている多くの神々が登場するのだが、その能力(ご利益)や関係性などを含めたこのドラマの物語としての“真の深さ”は、『日本書紀』などに触れたことのある、神に造詣のある人しか達することはできていないだろう。また、先にも述べた神の設定の数々もかなり難解かつ複雑で、1回の視聴では到底かみ砕けるレベルではない。それほどに、実は“訳が分からない”作品なのだ。

しかし、今作にとってはその難解さや複雑さこそが視聴者にとっての快感であり、面白さにつながっている。“訳が分からない”から匙(さじ)を投げるのではなく、“訳が分からない”からこそ知りたい、もっと物語を理解したいと渇望する。よって今作はこれから、難解な設定を理解するためにもう一度視聴し、さらには神にまつわる文献を学習し、再び視聴することで、新たな深みが増すドラマに仕上がっていくだろう。

“訳が分からない”状態でもここまで熱狂させてくれた本作なのだから、様々なことをもっと理解できるようになったとき、“真の面白さ”が見えてくるはずだ。とはいえ、興玉いわく「すべてを分かろうとするなんて人間の傲慢」である。とことん底が知れない。

「テレビ視聴しつ」室長・大石庸平 おおいしようへい テレビの“視聴質”を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(株式会社eight)の室長。雑誌やウェブなどにコラムを展開している。特にテレビドラマの脚本家や監督、音楽など、制作スタッフに着目したレポートを執筆しており、独自のマニアックな視点で、スタッフへのインタビューも行っている。 この著者の記事一覧はこちら
(「テレビ視聴しつ」室長・大石庸平)



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