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「おうち居酒屋」シリーズが大ヒット! 魔法瓶の老舗、ピーコック魔法瓶工業が次々と新しい風を吹き込む。その秘密を女性社長に聞いた

マイナビニュース / 2025年2月10日 11時9分

転機が訪れたのは2006年。当時、2代目の代表取締役社長を務めていた実父の山中茂弘氏からの要請で、ピーコック魔法瓶工業に経理として入社。大原簿記学校に通って経理の勉強をし直しながら、財務の責任者となります。その後、跡を継いで3代目社長になった兄の山中佳弘氏を補佐しながら家業に邁進してきました。

しかし、3代目社長として会社を率いていた山中佳弘氏が2015年に体調を崩してしまいます。こうして山中千佳氏は2015年、急遽4代目社長に就任することになりました。

「社長として働く父をずっと見てきましたが、本当にものづくりが好きで、デザインもする人だったんですね。スケッチブックに魔法瓶のイラストを描いたりするくらい、1からものづくりに関わる人でした。でも、社長という立場はなってみないとわからないことだらけでした」と、山中氏は当時を振り返ります。

財務を担当していたもののの、ものづくりに関する知識・経験は乏しかった山中氏。前社長の体調不良で急な社長交代となったため、引き継ぎもうまくできていません。生産現場を見てもその本質を捉えることは難しく、商品化に至るメーカーの努力を改めてかみ締めることになります。

「これまでは父がものづくりの中心となり、父の提案でみなさんが動いていたということに気づかされました。みんなに助けてもらいながらやってきましたが、それでもなかなかうまく回らないというのが、社長になって一番難しかったところですね」(山中氏)

○『「食」に「感動!」を』を新たな企業理念に

代表取締役に就任した山中氏は、ものづくりを大切にしながらも、新たな風を吹き込んでいきます。

一つ目は、女性の意見を取り入れるため、女性社員を積極的に採用したことです。これによって、就任当初は28%だった女性社員比率が現在40%まで増加しました。

「当社製品の多くを使うのは女性ですし、選んで買うのもたいてい女性です。ウェイトが高いぶん、製品のプラス面・マイナス面は女性の方が分かっていると思いました」(山中氏)

二つ目は、商品化決定までのレスポンスの速さ、大企業ではないからこそのスピード感です。要望やアイデアが山中氏まで上がってくることの速さを重視し、基本的に社長室はいつでも開放されています。新入社員からは「こんなに社長と距離の近い会社でよかった」という声もあるそうです。

「魔法瓶は同じような製品がたくさん流通していますから、他社が行わないような商品開発を進めなければなりません。もちろん金型投資などは掛かるのですが、リスクにチャレンジしなければならないんです」(山中氏)

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