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患者の待ち時間を削減、従業員の働き方も改善 DXで理想に近づいた調剤薬局の挑戦

マイナビニュース / 2024年12月24日 17時0分

画像提供:マイナビニュース

筆者は日本だけでなく、海外でも医療機関にお世話になった経験があります。日本の医療制度、医療へのアクセスのしやすさは、いかなる形であれ、日本人が大切にしたい「生きるためのインフラだ」と感じています。

しかし、少子高齢化社会を迎え、医療費、子どもの医療のかかりにくさ、そしてなにより膨大な待ち時間を要する医療体験と、さまざまな問題が顕在化してきたことも事実です。

そうしたなかで、「地域で心から患者を元気にする」ことを目指す調剤薬局のDX事例は、デジタルの力を使って、患者と薬局で働く人たちの双方にメリットをもたらす、理想的な姿の実現に近づいていました。

DXに成功した街の調剤薬局、なごみ薬局とは?

東京都中野区と杉並区に3店舗を構える「なごみ薬局」は、地域に寄り添う調剤薬局です。なごみ薬局は、おそらく独立系の調剤薬局において、日本で一番先進的なDXの成功事例といえます。

DXとも称される「デジタル・トランスフォーメーション」は、デジタル技術を活用した業務変革を指し、人手不足や新型コロナウイルスのパンデミックを通じて「省力化」「非対面」といったニーズをかなえる業務を実現するための手段となっています。

なごみ薬局を創業したのが渡邊輝氏です。長年営んでいるラーメン屋の立ち仕事ですぐ腰を悪くする両親の姿を見て「医療に関わりたい」と志し、薬剤師となりました。病院勤務では、退院したら患者から離れてしまうため、「患者と関わり支え続けたい」という思いから、なごみ薬局を19年前に開業したといいます。

「今までにない調剤薬局を作ろう、ということで、アート、テクノロジー、薬学の視点から店舗のあり方を考えた」そうです。

それまでの調剤薬局の業務は多忙を極めていたといいます。

「調剤薬局の業務は、お昼を食べる暇がないほど忙しいんです。さらに、医療においては『最後までどうやって生きたら良いか』というテーマが大きく注目されるようになりました。治療だけでなく、維持が求められるようになったのです。そのため、調剤薬局の提供価値も、将来の健康不安を取り除く、健康的な生き方をアドバイスできる、そんな役割が求められると考えました」(渡邊氏)

薬が進化し、医療のテーマが変化する中で、渡邊氏は「ひとりひとりに寄り添う調剤薬局を作ろう」とコンセプトを固めました。
忙しい調剤薬局が抱える課題とは?

患者に寄り添う調剤薬局というコンセプトで開業したなごみ薬局ですが、やはり業務は膨大でした。薬学に専門性がある30名のスタッフを3店舗に集めたものの、そのスタッフが経理も人事も営業も行わなければなりません。財務管理と業務管理以上に、調剤薬局で大変なのは在庫管理だといいます。

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