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74歳の経理担当者の作業が105時間→10時間に、kintoneで「介護DX」に挑むLILE THE STYLE

マイナビニュース / 2024年12月25日 9時0分

画像提供:マイナビニュース

介護業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)は難しいといわれている。というのも、介護職員の多くはITに不慣れであり、新しいツールやシステムの導入に対して抵抗感を持つことが多いからだ。

また、デジタル機器やシステムの導入には高額な初期投資が必要で、特に中小規模の介護施設では、予算の制約からそれらの導入が難しい場合が少なくない。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発行した「DX白書2023」では、約8割の「医療・福祉」分野の組織が「DXを実施していない、今後も予定なし」と回答している。

そのような状況の中、訪問介護の運営などを手掛けるLILE THE STYLE(広島県広島市)は、介護DXに取り組んでいる。サイボウズのノーコード開発ツール「kintone(キントーン)」を活用し、アナログな業務の改善や、コスト削減につなげている。

サイボウズが2024年11月に開催したイベント「kintone AWARD」に登壇したLILE THE STYLEのDX担当者が、これまでの取り組みとkintone活用のポイントを語った。2年間で売上を2倍にした同社は、どのようにして「最悪の状況」から脱したのだろうか。

「最悪の状況だった……」介護DXを目指した理由

広島市東区温品に拠点を置くLILE THE STYLEは、2014年に設立した会社だ。訪問介護や訪問看護、デイサービス、サービス付高齢者向け住宅の運営などの介護事業を手掛け、部屋25床と従業員21人を抱えている。

同社がkintoneを導入したのは2021年のこと。紙×手書きによるアナログ作業が多く存在していたため、それらの日々の業務をデジタル化し、蓄積されたデータをもとに各従業員が自ら行動できる仕組みを作ることを目指した。

2022年4月には介護DXプロジェクトが発足。しかし、発足当時は「最悪の状況」だったという。同社の介護DXを主導した谷川実氏はこう振り返る。

「8年間で管理者が6回も変わる。半年間で8人が退職。売上は過去最低をマーク。一番最悪だったのは、退職した人が持っていた情報をすべて失ってしまったこと。データ管理が属人化していたため、入居者そしてその家族が必要としている情報が、どこに保管されているのか、誰に聞いても分からない状況だった」(谷川氏)

危機感を感じた谷川氏は、kintoneで業務効率化を図り、データを蓄積できる環境の構築を目指した。最初に取り組んだことは、ITに不慣れな従業員にkintoneに触ってもらうこと。「介護DXに必要な要素は、一人ひとりが持っている情報を共有すること。そのためには、触ってもらうことに抵抗をなくすことが必要だった」(谷川氏)
現場と開発者の「使いやすさ」の違い

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