1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

テレビ屋の声 第94回 『クイズタイムリープ』生山太智氏、六大学野球副主将からテレビマンに…100本ノックの企画書に込める「スポーツへの恩返し」

マイナビニュース / 2024年12月27日 6時0分

――それは大変ですね! AI音声で会話するのではなく。

より生身な肉声で行けると思ったところは、まずそこを頑張ろうと思っているんです。ただ、当時は解答者同士のトークのカットが短くて…。だからなかなか見つからなくて大変です(笑)

そういう作業をして感じたのは、新しく収録した映像も、過去のアーカイブと同じ素材の一つだということなんです。通常の番組収録は、ある程度決まった順番で決まったものを撮るという形だと思うのですが、『クイズタイムリープ』は収録も素材集めという認識。その集めた素材の中で新しい料理を作っていくという感覚が、この番組は新しいなと思って編集を進めています。

――今回は現代の出演者に、阿部亮平さんやふくらPさんなど、各局のクイズ番組で活躍する人たちが参加していますが、彼らが苦戦しているシーンが意外でした。

五味さんとミーティングさせていただいた時に、今は「正解を面白がる」クイズが増えてきている一方で、当時は「間違いを楽しむ作り方をしていた」というお話を聞いたんです。だから、いい意味で制作側と演者さんの“対決”で、誤答の面白さを引き出すことを大事にしようと思って作りました。そのため、今のクイズ番組で活躍される皆さんにとって、その違いの難しさがあったのかもしれないです。

――30年でクイズの文化が変わっているのが分かるというのも面白いですね。今回は、当時の解答者(レジェンドカード)の方がタイムリープして、過去の自分に声をかける場面もありますが、あそこは少しジーンとくるものがありました。

ベースとしては「懐かしい」があるのですが、仕上がりが「新鮮」になるようにするのをすごく意識しています。懐かしさはアーカイブ素材から出てくるので、仕上がりの新鮮さをどう注入していくかというのも、第2弾のテーマでした。そうした点で、今の自分と過去の自分が対戦するというところも意識したところですね。

――そして今回の収録ではミラクルが起こりましたね。

はい、サブコンの全員が立ち上がりました(笑)。河野さんには「入念な準備をしたからこそ奇跡が起こるんだ」と言っていただき、苦労が報われたと思いました。このミラクルはぜひ楽しみにしていただきたいです。

●バラエティ制作所属では思いつかない発想
――今後こういう番組を作っていきたいというものはありますか?

企画を考える時に、「今のテレビにしかできない番組」というのをいつも考えていて『クイズタイムリープ』も採択していただいて放送までできたのですが、やっぱりYouTubeや配信では不可能な、テレビの規模感でしかできないものを作っていきたいです。「テレビっていいな」と思ってくれる学生さんや10代の人たちを増やすことが、自分たちの使命だと思うんです。テレビ屋として、番組作りは自分好みの「作品」ではなく、多くの人に見てもらう「商品」にしなきゃいけないと思っているので、「テレビでしかできない商品をお届けする」ということに、忠実に頑張っていきたいと思います。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください