1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「認知症」は治るの? 予防法や初期症状など気になるギモンを医師が解説

マイナビニュース / 2025年1月19日 10時30分

画像提供:マイナビニュース

脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能(記憶、判断力など)が低下してしまう「認知症」。2025年の日本における認知症の高齢者は約472万人、軽度認知障害(MCI)は約564万人と推計されており、その合計は1,000万人を超えています(※)。高齢者の約3人に1人が認知症またはその予備軍と言える状況であり、人生100年時代を迎えた今、誰でも認知症になり得る可能性があるのです。

※厚生労働省「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」より

そこで今回は、認知症のキホンについて近畿大学 医学部 精神神経科学教室の橋本衛主任教授にお話を聞きました。認知症は治る? 予防法や兆候は? など、もしも自身や家族が認知症になったら……というときのために、ぜひチェックしてみてください。

認知症の症状は?

認知症とは、さまざまな脳の病気によって脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能が低下して、社会生活や日常生活に支障をきたしてしまう病気です。

よく知られている症状として、記憶障害や理解力・判断力の低下などがあるほか、焦燥・興奮、暴言・暴力、徘徊(はいかい)などの行動面の症状、抑うつ、不安、妄想、幻覚などの心理症状があります。

認知症を引き起こす病気には、アルツハイマー型認知症をはじめとして多くの原因疾患があり、疾患によって現れやすい症状や治療方法が異なります。では、認知症は治る病気なのでしょうか……? 橋本教授に尋ねてみました。
認知症は治る?

――認知症には、複数の原因疾患がありますが、治るタイプもあるのでしょうか?

治るタイプの認知症は、認知症全体の数パーセントを占めるにすぎません。その中で頻度が高い病気として、脳脊髄液が脳内にたまる「正常圧水頭症」がありますが、たまった脳脊髄液を手術で抜けば認知症が改善します。頻度は低いけれども治る可能性がある認知症ですので、見落とすことがないように、認知症が疑われれば病院を受診することが大切です。

治らないタイプの認知症には2通りあって、症状が進行しづらい認知症と、着実に進行する認知症があります。例えば脳梗塞が原因で認知症になったとしても、次に脳梗塞を起こさない限りそれ以上症状は進みません。このような症状が進行しづらい認知症は、全体の2~3割ぐらいです。

残りの約7割の認知症は、確実に症状が進行します。治らない認知症の代表がアルツハイマー型認知症です。この病気になれば認知機能がどんどん低下し、進行をストップさせることは、現在の医療ではできません。現状でできる治療と言えば、進行を緩やかにすることだけです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください