すばる望遠鏡の新たな超広視野多天体分光器「PFS」が遂に2月から本格稼働へ
マイナビニュース / 2025年1月14日 18時50分
東京大学(東大) 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)と国立天文台(NAOJ)は1月10日、すばる望遠鏡のアップグレードを行う「すばる2」計画において、新たな4つの主力観測装置のうち、約8億7000万もの画素を有する世界最高クラスの超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam」(ハイパー・シュプリーム・カム(HSC)、2013年稼働)、系外惑星の影響で生じる恒星のかすかなふらつきを極めて高い精度で検出できる赤外線ドップラー装置「InfraRed Doppler」(インフラレッド・ドップラー(IRD)、2018年稼働)に続き、およそ2400もの天体の同時分光が可能となる超広視野多天体分光器「Prime Focus Spectrograph」(プライム・フォーカス・スペクトログラフ、PFS)の開発と調整が完了し、2025年2月から本格稼働開始となることを記者会見において発表した。
会見には、PFSプロジェクトを主任研究者(PI)として率いてきたKavli IPMUの村山斉教授(米・カリフォルニア大学バークレー校 教授兼任)、PFS開発のプロジェクトマネージャーを務めるNAOJ ハワイ観測所の田村直之教授(前・Kavli IPMU 特任准教授)が登壇したほか、NAOJも属する自然科学研究機構の川合眞紀機構長、NAOJ ハワイ観測所の宮崎聡所長、Kavli IPMUの横山順一機構長、同・高田昌広副機構長、英 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのリチャード・エリス教授、米・プリンストン大学 宇宙物理科学学科長のマイケル・シュトラウス教授ら会見場およびリモートで出席した。
○随一の広視野を活かした高性能を目指すPFS
どのような製品も技術も、時を追うごとに性能が高まるのは当然だ。大型望遠鏡もその例に漏れず、1999年1月にファーストライトを迎えて以来、四半世紀以上の活躍を続けてきたすばる望遠鏡についても、今ではもっと大きな望遠鏡が複数ある状況である。しかし大型望遠鏡は観測機器の性能の寄与が大きいため、歴史ある望遠鏡であっても、観測機器の性能向上を続ければ一線級の性能を維持できる。
すばる望遠鏡が有する最大の特徴は、その視野の大きさだ。望遠鏡において非常に重要な要素として、主鏡の大きさに並び、視野の広さも重要である。たとえば月面観測の場合、満月全体の観測に何回にも分けて観測する場合と、観測精度の細かさでは少し劣るが一度に全体を観測できる場合とでは、作業効率の良さでは後者の方が圧倒的に優れているといえる。その点で、主焦点における視野の直径がおよそ1.3度のすばる望遠鏡は、口径の大きな世界のどの大型望遠鏡の追随も許さないとされる。
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