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チームワーク崩壊で会議が大荒れ、“地域の翼”JACの整備チームを救ったkintone

マイナビニュース / 2025年1月20日 9時0分

「問い合わせは一気になくなり、工程会議も荒れなくなりました。どんな状況かはkintoneを見ればすぐにわかるため、『その状況を踏まえて、今はこうしよう』と、1つ上のレベルの議論がされるようになったのです」(臼崎氏)

情報の分散という課題をkintoneが解決した。「kintone=便利」という認識が一気に広がり、JAC整備ではさらにkintoneが広がっているという。
アプリ開発の前に、業務のシンプル化を!

JAC整備部門では、kintoneを活用する上で、守るべきことを2つ決めている。

1つ目は、kintoneでアプリを作る前に、業務をシンプルにすること。今のプロセスをそのままkintoneに置き換えるのではなく、何に時間がかかっていて、なぜそれをやっているのか、もう一度見直すようにしているという。

例えば、情報の分散を解決した「Critical Parts Order」の場合、何が問題だったのだろうか。情報が分散していたことで困っていたが、それ以前に重複する承認フローにも課題があった。チェックが多かったのは、ミス防止と情報共有、つまり心配事を減らすためだった。

JAC整備部門は、この無駄な重複をなくすためにkintoneを活用した。添付忘れに対しては、必須項目を活用し、入力ミスは自動チェックや計算機能、情報共有は条件通知というように、不要なプロセスは簡略化しながら心配事をなくしていった。

そして2つ目は、できる限り標準機能でアプリを作ること。カスタマイズは最後の手段と考えることだ。

西上氏は、「すごいアプリではなくて、持続可能なアプリを作る。私もそうなのですが、ITが好きな人は凝ったアプリを作りがちです。凝ったアプリは便利な反面、アプリの中身はブラックボックス。その人がいなくなったら直せなくなる、なんてこともよくある話です」と説明する。
kintone活用におけるJAC流の4つのノウハウ

kintoneをきっかけに業務を見直す。こうした風土がJAC整備部門に広がり「もっとやろうと、DXへの前向きな“つなぐサイクル”が生まれていきました」と、西上氏は笑顔を見せた。

講演では、JACの整備士が作ったイチオシのアプリも紹介された。その名も「プロップアップモニタリングアプリ」。コックピットの室温変化などの気になる事象をモニタリングしていくアプリで、いわば医者の診察カルテの飛行機版だ。

各空港の整備士が連携して事象を追跡できるアプリで、年間900件の事象を共有しているという。「空港ごとにモニタリングステータスをバトンタッチしていき、適切なタイミングで適切な処置を施すことができるようになりました。このようにkintoneは、共有して連携する業務に多く活用されています」(西上氏)

JAC流のkintone活用から学べるノウハウは4つある。

1つ目が、kintoneに慣れる取り組みから始めること。そして2つ目が、「Critical Parts Order」のアプリのように「ホームラン事例」を1つ作って、保守的な人にも良さを伝えること。3つ目が、kintone化する前に業務を見直してシンプル化すること。そして4つ目が、スキルのある人ほど、いなくなった時のためにシンプルなkintoneアプリを目指すこと。

西上氏は「kintoneを活用することで、『世界一の整備チームになる』という目標に向けた一歩を踏み出すことができました。私たちはこれからも、安心と安全、そしてみなさまの大切な出会いをつないでいきます。僕らと同じ大空を飛ぶ心強い相棒、kintoneと一緒に」と語り、講演を締めくくった。
(早川竜太)



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