非宇宙企業を宇宙産業に巻き込む人工衛星活用コンテスト「NEDO Challenge」
マイナビニュース / 2025年1月17日 21時14分
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は1月17日、国内外で活発な動きを見せる宇宙産業について、その分析や同機構としての取り組みを解説する記者説明会を実施。その中で、1月23日に最終選考会を予定する「NEDO 懸賞金活用型プログラム(NEDO Challenge)」の狙いや将来の見通しについて語られた。
○民間の人工衛星開発がけん引する世界の宇宙市場
かつての宇宙産業は、世界各国の政府がプレイヤーとなって技術開発を進め、時には協力し、時には競争しながら、その発展に貢献してきた。しかし現在では、宇宙開発の主役が“官から民へ”と変化し、SpaceXに代表される宇宙企業が開発を加速。急速に民間市場が構築され、政府は企業からサービスを調達する形で宇宙産業の発展を支援する形が取られるようになった。こうした背景に後押しされてか、宇宙産業の市場規模は世界的に拡大し、2024年には世界で約140兆円に上るとの推測もある。またその成長は留まる兆しはなく、今後も宇宙ビジネスへの関心は高まるとみられる。
そんな宇宙産業の発展を牽引するキーファクタが、人工衛星だ。NEDO 航空・宇宙部 宇宙産業チームの鈴内克律チーム長によると、宇宙技術戦略は大きく3つの分野に大別できるとのこと。人工衛星関連と並び、ロケットなどの宇宙への“輸送”領域と、主に政府予算で行われる“宇宙科学・探査”分野に分類される中、世界の宇宙市場において人工衛星関連分野が有する市場規模は4分の3に迫るほど大きいとする。
そしてNEDOは現在、宇宙産業の一大トレンドである人工衛星の中でも、低軌道衛星間や衛星と地上間の高速データ伝送を可能にする通信衛星技術と、さまざまな付加価値サービスが登場している観測データを取得するための地球観測衛星に着目。また複数の衛星を連動させて運用する衛星コンステレーションの普及を見据え、現在市場でも打ち上げの主流となっている小型衛星の開発支援を進めている。
○NEDOも衛星開発プログラムを立ち上げ支援を実施
NEDO 航空・宇宙部が現在行っている宇宙事業は、すでに3つの研究開発テーマが採択された「経済安全保障重要技術育成プログラム」、超小型衛星の製造期間短縮に貢献する汎用バスの開発・実証支援を行う「宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業」、そして衛星データを活用したソリューションを一般公募により開発するNEDO 懸賞金活用型プログラムの3つだという。
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