東奔西走キャッシュレス 第74回 クレジットカードの表現規制に解決の道は
マイナビニュース / 2025年1月20日 16時36分
ただしこのVisa規則には、フィクションも対象に含むのか、どういったコンテンツが抵触するのかという具体的な内容は明記されていないようです。同じ規則内では「Visa規則と、適用される法律または規制の間に矛盾がある場合は、法律または規制の要件が適用される」としています。Visaが禁止しているのは各国の法規制で禁止されたCSAMなどのコンテンツなのだろう、とも考えられます。
日本では、現時点でマンガやアニメなどのフィクション作品はCSAMなどとして規制されていませんが、Visa側としては「その国の法規制に違反していないかを確認する」ことになり、それがキトニー社長の「これによって規制当局に対する義務を果たしている」という言葉に繋がったものと考えられます。
このあたりを総合すると、「国際ブランドはCSAMなど一部違法コンテンツは許容していないため、それに関連する特定のキーワードやURLリストなどをベースに商材を検出し、アクワイアラなどに指摘をして、アクワイアラなどが加盟店に確認をしている」ということはあるのかもしれません。
●重要インフラとして適切な規制の検討を
○2024年12月には規制問題を考える集会も開催
2024年12月に山田太郎議員らを招聘して開催された「クレジットカード会社等による表現規制『金融検閲』問題を考える」では、開催団体のうぐいすリボン代表の萩野光太郎氏から、「シンガポールやマニラに本社を置いている、クレジットカード会社の本社から委託されたコンサルタントや調査会社から、規約違反をパトロールしていて、作品に問題があるようだから対応するようメールが来る」という事例が紹介されており、さらに第三者が関係している可能性があります。
山田太郎議員は同会で、「コンテンツの中身ではなくタイトルを見ている。完全に言葉狩りで、何を取り締まりたいのかもよく分からない」と強調しており、キーワードによる作品の排除が求められているというのが現状で、結果としてアダルトでもない作品も対象となっていることを指摘しています。
適法かどうかの確認を求める国際ブランドに対して第三者が過剰な対応を求めており、指摘を受けたアクワイアラなどが機械的に利用停止するか何らかの対処をしようとするかはそれぞれの事業者ごとで異なっている――ということなのかもしれません。
その意味では、ライフカードが事前にキーワードリストなどを入手して、「あらかじめコンテンツの中身を確認しておき、法的な問題がなければ問い合わせがあってもタイトルだけでは削除や停止を求めない」という対応をしているならば、確かに意味があるかもしれません。
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