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スペースXの「スターシップV2」宇宙船、初飛行 - イーロン・マスクの新たな挑戦と未来への展望

マイナビニュース / 2025年1月20日 18時50分

この再突入では、付近を飛行中の複数の航空機が、経路を変更したり、空港からの離陸を遅らせたりなどの影響が出たものの、被害は発生していない。また、再突入で燃え切らなかった破片についても、スペースXとFAAによると、「事前に定められた大西洋の危険区域内に落下したものとみられる」としており、17日の時点で被害は報告されていない。

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今回の飛行試験は、まずチョップスティックスによる機体の回収技術を、あらためて実証できた点で大きな成果があったと言えよう。5回目の試験での回収成功がまぐれではないことを示すとともに、将来的にスターシップ宇宙船も同様の方法で回収することに向けた大きな一歩となった。

また、スターシップV2のデビュー戦は不本意な形に終わったものの、スペースXの失敗を重ねて改良していくアプローチの一環といえるだろう。

実際、試験後に同社は、「成功は学びから生まれます。(スターシップ宇宙船に起きたことについて)根本的な原因を調査するため、データの分析をすでに始めています。米連邦航空局(FAA)と連携して徹底的な調査を行い、是正措置を取り、スターシップを改良します」とのコメントを発表している。

スペースXはまた、「8回目の飛行試験に使うためのブースターと宇宙船はすでに建造しており、打ち上げ前の試験を経て、飛行の準備を進めている」とした。

おそらく、今後の動きにおいて最大の焦点となるのが、この8回目の飛行試験がいつ行えるかだろう。

前述のように、今回の試験に関してはFAAが調査に乗り出している。FAAは、スペースXが行う事故調査プロセスのすべてのステップに関与し、是正措置を含む同社の最終報告書を審査し、飛行再開の可否を判断する権限を持っている。つまり、FAAが許可しない限り、どれだけ機体の準備が整っていたとしても、次の飛行試験を行うことはできない。

FAAの調査と、飛行再開に関する可否判断は、これまでの飛行試験でも行われている。ただ、これまでの試験中の事故では、人や航空機への影響はほとんどなかった。しかし、今回は複数の航空機が経路変更を余儀なくされ、航空安全に大きな影響を及ぼした。そのため、危険区域の範囲見直しやスターシップの信頼性に関する審査が徹底される可能性があり、飛行再開まで数か月かかる恐れがある。

飛行再開の遅れは、スターシップ開発のさらなる遅延を招く可能性がある。完成への道のりは依然として遠く、ブースターの回収を日常的な光景にするだけでなく、スターシップ宇宙船の大気圏再突入や、ブースターと同様に発射塔で回収する技術も確立しなければならない。

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