空想された理想郷(ユートピア)とはどんな場所なのか。曄田依子個展「UTOPIA」
NeoL / 2022年4月20日 12時0分
東京・恵比寿の「AL」にて、画家 / イラストレーター、曄田依子による個展「UTOPIA」が開催。
獅子のような犬、鯉の態様を借りた金魚、吉祥図など、おもに透明水彩を用いて描かれる曄田依子の絵には比類のない愛らしさと共に怪しさが混在している。豊かなグラデーションにより浮き彫りにされる伝統的文様やコンセプトは、カルチャーミックスで養われた彼女特有の話法で捉えられる時、いつも予期せぬ深い問いかけを私たちに投げかけてきた。アジアの信仰のあり方や幸福の思想まで、曄田史観ともいうべき視座とのリンケージを味わう新鮮な体験がそこにあったからだ。
国内外のアートフェアやグループ展で高い評価を受け続ける一方で、書籍装画を多く手がけ童話の自著も上梓するなど、ユニークな応用美術的アクティビティも展開中の彼女。住吉大社へ獅子舞頭の意匠を奉納するなど、アートのソーシャルなあり方にも目を向けてきた。
本展は、曄田にとって約3年ぶりとなる新作展。社会の大きな変化や個人的な体験を通して「空想された理想郷(ユートピア)とはどんな場所なのかを考えるようになった」彼女は、人の姿からさえも離れてイメージした時、現世と地続きの魂が別の形を得て生きる場所、「生まれ変わるならこんな花」をコンセプトにした場所こそユートピアではないかと思い定め、それを展示タイトルに込めた。これまでの創作からさらにスケールの大きくなった境地での表現に出会える期待が膨らむ。
さらに大小の絵画作品20点余りを展示・販売。また、毎回の個展で好評を集めている「狛ダルマ」をデザイン一新して販売する他、絵本仕立てになった新作図録やオリジナルポーチなどの関連商品も合わせて紹介・販売される。
曄田依子 UTOPIA
会期 : 2022年5 月18日(水)~28日(土)
会場 : AL(東京都渋谷区恵比寿南3-7-17)
開館時間 : 12:00~19:00 最終日のみ~18:00 会期中は無休
※新型コロナウィルス感染症対策のための施策にご協力いただきます。
※最新状況により実施内容変更・開催延期となる場合があります。
※本会場での展示作品は期間限定ECサイトでも公開しご購入いただける予定です。
https://speakfor.thebase.in
曄田依子(ようだよりこ) 画家 / イラストレーター
1980 年、愛媛県生まれ。東京都在住。武蔵野美術大学油絵科卒業後、和紙に水彩、金泥や墨などを用いたミクストメディア作品
を創作。日本を基としたアジアの伝統文化と現代の価値観との結び目をテーマとし国内外で活動中。2013 年Behance
Portfolio Reviews #4 にて最優秀賞を受賞。「孤狼の血」(著・柚月裕子、角川書店) をはじめ書籍装画も数多く手がける。漫画
「左ききのエレン」(原作・かっぴー、漫画・nifuni 、ジャンプコミックス)に劇中画を提供。著書に「繕い屋の娘カヤ」(岩崎書店)
がある。住吉大社御祓講獅子意匠預。
http://yoriquo.com
【 会場 】
A L
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南3-7-17
T.03-5722-9799
http://www.al-tokyo.jp
※必ずマスクを着用したうえでご入場くださるようお願いします。
※新型コロナウィルス感染防止のため、ご入場時の検温、手指の消毒、状況に応じた一時入場制限などの施策にご協力ください。
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/art-2/
外部リンク
- 写真家・ウエマツ タケシ写真展「Live madness with thorough sanity」
- 空想された理想郷(ユートピア)とはどんな場所なのか。曄田依子個展「UTOPIA」
- 草間彌生、アニッシュ・カプーア、大小島真木らの作品を通してこれからの未来に問いかける『世界の終わりと環境世界』
- 「女性らしさ」に抑圧されながらも制作した作家たちの作品の力強い光に色を見る。流 麻二果 『その光に色を見る Spectrum of Vivid Moments』
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