千葉和成展「ダンテ『神曲』現代解釈集」、地獄篇・煉獄編・天国編を一挙公開
NeoL / 2019年9月11日 12時13分
《地獄篇最終章》2015-2016、水彩紙、木製パネル、アクリル絵具、パステル、391×162cm、撮影:宮島径
千葉和成展「ダンテ『神曲』現代解釈集」が、ミヅマアートギャラリーにて開催中。会期は、9月21日まで。
千葉和成は1967年、神奈川生まれのアーティスト。東京造形大学彫刻科を卒業、以来現在まで神奈川にて制作活動を続けている。
千葉自身ライフワークと称する本作、《ダンテ『神曲』現代解釈集》は、2000年ごろに制作を開始し、現代の日本社会に生きる千葉が日々考えること、それから感じる彼自身の負の感情、そこから立ち上がってくる精神世界を『神曲』の場を借りて、千葉本人がダンテの姿を纏い地獄、煉獄、天国を平面、立体を通して表現していくもの。
イタリア文学の最大の古典と称される『神曲』は、13〜14世紀の詩人、政治家であり哲学者であったダンテが人生における道徳的原則を明らかにしようと著した3部作からなる長編叙事詩。その背景には、当時のイタリアにおける政争と自身の故郷フィレンツェからの追放、そしてベアトリーチェへの永遠の愛の存在を欠かすことはできない。
千葉の表現する『神曲』は、彼自身がテレビや新聞、インターネット等で調べた事件、事故、そこから考えられる現代の人間の愚かさ、政治的な不義、そして何よりも人間中心主義がまかり通る社会に対する彼の不満が現れている。本展には、2012年の岡本敏子賞受賞以降、ほとんど発表をすることなくその時間をひたすら制作に当て、20年近くを費やした千葉和成による現代版『神曲』の地獄篇・煉獄編・天国編が一堂に会する。
とはいえ、今回の展覧会で本作の制作が完結するわけではないという。千葉がこの社会で不義、愚かさ、不満を感じる限り、この制作は続いていくだろう。
千葉和成展「ダンテ『神曲』現代解釈集」
MIZUMA ART GALLERY
162-0843 東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
〈会期〉 2019.8.21ー9.21
〈開廊時間〉 11:00 - 19:00
〈休廊日〉日、月、祝日
http://mizuma-art.co.jp/
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https://www.neol.jp/art-2/
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