公立校もアイビーも「ほぼ男女同数」が合格・入学する
ニューズウィーク日本版 / 2015年12月29日 7時55分
今、新しいタイプのアメリカ留学ブームが起きていると、本誌ウェブコラム「プリンストン発 日本/アメリカ 新時代」でお馴染みの在米ジャーナリスト、冷泉彰彦氏は言う。グローバル化の潮流を背景に、日本の優秀な高校生が「アイビーリーグ」の8校をはじめとするアメリカの一流大学を志望する、全く新しい動きが起こっているのだ。
実は冷泉氏は、1997年以来、ニュージャージー州にあるプリンストン日本語学校高等部で進路指導にあたってきた。プリンストンやコロンビア、カーネギー・メロンなど多くの名門大学に高校生を送り出してきた経験をもとに、『アイビーリーグの入り方――アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)を上梓した冷泉氏。アメリカの高等教育の仕組みから、秘密のベールに包まれた「アイビーリーグ入試」の実態、厳選した名門大学30校のデータまでを1冊にまとめている。
アメリカの各大学では「アドミッション・オフィス(Admission Office=入試事務室)」という組織が入試の実務を担っている。日本の「AO入試」は簡易型の選考というイメージが出来上がってしまっているが、それとは全く違い、AOは高度な専門職だと冷泉氏は説明する。
これまで3回、本書の「Chapter 1 志望校をどうやって選ぶのか?」から一部を抜粋したが、それに続き「Chapter 3 入試事務室は何を考えているのか?」から一部を抜粋し、3回に分けて掲載する。アメリカの大学では、どんな学生が求められているのだろうか。
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『アイビーリーグの入り方
――アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』
冷泉彰彦 著
CCCメディアハウス
※第1回:これまでと違う「アメリカ留学ブーム」が始まっている はこちら
※第2回:アイビーに比肩する名門のリベラルアーツ・カレッジがある はこちら
※第3回:アメリカの女子大には「上昇志向の強い」女性が集まる はこちら
※第4回:米大学がいちばん欲しいのは「専攻が決まっている学生」 はこちら
※第5回:教職員や卒業生の子供が「合格しやすい」のは本当? はこちら
◇ ◇ ◇
期待される学生像「多様な人材を世界中から」
アメリカの名門私立大学、特にアイビーリーグ加盟校に関しては、「入学させる学生の多様化」を進めた歴史というのは、実は比較的浅いのです。
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