【2016年注目の動き】自動運転車と配車サービス、小型ドローン、VR
ニューズウィーク日本版 / 2016年1月5日 17時0分
米国では今年カリフォルニア州で自動運転車の行動実験が一斉に始まる予定もあり、それに関連する話題が多く報じられることになる可能性も高い。さらに同州の規制当局(DMV)がルール作成に向けてパブリックコメントの収集やタウンホールミーティング開催も予定している自動運転車利用のガイドラインもその後に影響を及ぼすことになるかもしれない。
(2)小型ドローン
米国では昨年のクリスマス商戦期に数十万台のホビー用ドローンが販売されそうとの見通しが出ていた。まだ実数は明らかにされていないようだが、連邦政府からユーザー登録が義務づけられたので、早晩実数が明らかになると思われる。そうした普及を土台として、今年はどういった新たな活用方法がみつかるか、といった点に注目が集まりそうだ。
まず一般向け製品については、すでに日本でも製品が手に入る中国DJIの存在感が大きい。同社は、新たに農業向けのドローンを中国などで発売する計画も昨年暮れに明らかにしていた。
いっぽう、この対抗馬としてもっとも注目を集めそうなのが、アクションカメラ・メーカーのゴープロ(GoPro)。もともとDJI製ドローンにゴープロのカメラを積んで空撮するユーザーが多かったことから、DJIが自社でカメラを搭載する新製品を開発・発売し、それに対抗してゴープロ側でもドローン市場に参入、という格好で、このゴープロ製ドローンが今年前半にも発売になる。この2社のほかに、仏パロット(Parrot)、米3Dロボティクス(3D Robotics)なども加わって、特定のユーザーや用途に特化した製品開発が進むかも知れない。
こうした製品メーカー同士の争い以上に興味を惹くのが、プロセッサメーカーの動きで、たとえばクアルコムはドローン向けに特化した「Snapdragon Flight」というチップセットを投入して、「現在1200ドルくらいで販売されている4Kカメラ搭載ドローンの値段を300〜400ドル程度まで引き下げる」としている。またこのチップセットには空間の奥行きも把握できる3Dセンサも内蔵されており、撮影した影像から3Dマップを作成することなどが想定されているという。
クアルコムと競合するインテルでも、アスセンディング・テクノロジーズ(Ascending Technologies)というドイツのドローン開発ベンチャーを買収したと米国時間4日に発表していた。アスセンディングの製品にもインテルの「RealSense」用3Dカメラが採用されているというから、想定しているドローンの用途はクアルコムのそれと方向性はほぼ一緒ーーやはり3Dマップ作成ということだろう。
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