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台湾民進党圧勝を中国はどう見ているか?――中国政府公式見解と高官の単独取材

ニューズウィーク日本版 / 2016年1月17日 18時12分

 政府高官との問答はおおむね以上だ。この高官の話は、「中国政府側としての個人の意見」ではあるものの、明らかに習近平政権の意向と一致していると、みなすことができる。なぜなら、政府側の者は、絶対に中共中央の指針と異なる意見表明はしないし、してはならないからだ。

 ところで、Q&Aのうち、最後のアメリカとの関係に関して補足する。

 つまり、馬英九路線などにより中台が平和統一されたときには、アメリカの台湾関係法は行使できない。台湾が大陸に吸収されるのを黙って見ているしかないのである。

 しかし、民進党政権において、万一にも台独の気配が生じて台湾海峡武力封鎖のような事態が起きれば、アメリカは台湾関係法により台湾を防衛する手段に出る。そのときには日米同盟により、日本も動かないわけにはいかなくなる。

 中国だけでなく、日米もまた「台湾有事」のような事態が生じることは望んでいないし、好ましくない。

 そういう事態を招かずに、きたるべき「蔡英文総統」が、どのような舵取りをしていくかが、今後の注目点となろう。

 長くなり過ぎたので、台商や台湾の若者の新しい情報あるいは中国ネットユーザーの声などに関しては、また追って考察することとする。

[執筆者]
遠藤 誉

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。


遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)


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